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作成日:2009年1月5日_記事番号:T00012576
毒入りドッグフード?野犬収容所で1千匹以上が変死
昨年発生した有害物質メラミン含有乳製品問題は記憶に新しいが、食品汚染は今年も依然安心できそうにない。
台北県にある野犬収容所2カ所で昨年12月、400匹近くもの犬が変死していたことが明らかになった。行政院農業委員会によると、これらの犬が食べたドッグフードから、発がん性物質であるカビ毒「アフラトキシン」が検出され、その含有量は慢性中毒で死に至る可能性のある100~200ppbに達していたことが判明。犬の死因は、アフラトキシンによる急性肝障害と見られている。
犬が大量死したのは、台北県八里郷にある財団法人中華民国保護動物協会の野犬収容所と、台北県三芝郷にある民間の野犬収容所。前者では既に200匹以上が、後者では300匹以上いる野良犬のうち半数以上に当たる170匹が死亡している。
犬の中毒症状は、まず極度に衰弱してやせ、黄疸症状が出るのが特徴で、吐血したり血便が出ることも。発症すると約2日から1週間前後で死亡してしまうという。
野犬収容所が使用していたドッグフードは、「彼特愛心成犬飼料」(1袋18キロ入り、800台湾元=約2,200円)、製造元は雲林県褒忠郷の吉泰飼料有限公司だ。同社は主に魚用飼料を生産しているが、昨年7月からはドッグフードの生産も開始した。問題の製品は11月生産の40トンとみられている。
同社のドッグフードは、一般向けには販売されておらず、北部の大型収容所向けの注文生産のみ。同社は4日、既に29.3トンのドッグフードを回収したことを明らかにしているが、犬の大量死は北部だけでなく、雲林や台南、高雄や屏東などの南部でも報告されている。その数は1,000匹を超える見通しで、目下、ドッグフードとの関連が疑われている。