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作成日:2009年1月7日_記事番号:T00012637
台北県の失業対策、野犬捕獲員の募集も

長期化する不況で失業者は増える一方だ。台北県政府は先月、失業者救済のため政府部門の雇用機会1,000件を提供したが、応募倍率が約6倍にも達し、焼け石に水だったことが判明。そこで今年、新たに50億台湾元(約140億円)をかけて、1万~1万5,000件の雇用機会を創出することを決定した。
同県政府研究発展考核委員会によると、目下、政府各部門が提供する雇用機会は9,000件で、いずれも短期のアルバイト。そのうち最も多いのは民政局が募集する清掃作業員で、4,068人と半数近くを占めている。
農業局は、街の緑化作業や漂流木の回収など計555件の仕事を提供するが、なんと危険度の高い「野良犬の捕獲員」の募集もこの中に含まれている。
一般に野良犬は攻撃的で敏捷(びんしょう)なため、捕獲員が捕獲の際にかみつかれることも決して珍しくない。そのため、野良犬の捕獲員は通常、屏東科技大学で2日間の専門訓練を受けている。
これまでの雇用機会は大部分が肉体労働だったことから、今回は、専門性や技術性の高い業務を多く提供し、適材適所で仕事の効率を上げたい、とは周錫瑋県長の弁。
確かに、野良犬の捕獲は誰でもできる業務とは言い難く、専門的ではあるものの、かなり危険なのも事実。「給料を受け取る前に、医療費を払うことになりそう」と心配する声も聞かれるほどだが、勇気ある応募者は果たしてどのくらいいるのだろうか。
一方、就職戦線を勝ち抜こうと、職業訓練センターで新たな専門技術を学ぼうとする人も増えている。桃園職業訓練センターでは、今年1月開講の17コースの465人枠に2,900人が応募するほどの高い人気だ。受講者は大卒以上の高学歴者の若年層が多いという。