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「高雄港は観光・レジャー強化を」、大前氏提言に港務局反発


ニュース 運輸 作成日:2009年1月8日_記事番号:T00012679

「高雄港は観光・レジャー強化を」、大前氏提言に港務局反発

 
 台湾でも知名度の高い経営コンサルタント、大前研一氏は5日、高雄市議の招きで高雄港を視察し、同港の今後の方向性について「水深が不足しており、埠頭(ふとう)の利用率低下が深刻化している。観光・レジャー産業への転換を図り、新たなコンテナセンターの開発は控えるべき」との提言を行った。これについて高雄港務局からは、「大前氏は高雄を1日訪問したに過ぎず、提言には同意し難い」と反発の声が上がった。8日付経済日報が報じた。

 外資系海運会社の主管によると、同港コンテナ埠頭の一般的な水深は13~14メートルで、これまでは十分だったが、船舶が大型化する傾向の中、8,000TEU(20フィートコンテナ換算の積載能力)以上の船舶が停泊可能なのは76~79号埠頭のみとなっている。しかも貨物を満載するには水深不足で、確かに水深16メートルの新埠頭開発の必要性があるとしている。

 ただ、この主管は「中台間の開運直航が実現して運輸コスト低減や輸送時間短縮が可能になったが、全体的に見れば市場は小さい」と指摘し、高雄港のコンテナ取扱量を引き上げるには「ドバイのように全方位的な自由貿易港となる必要がある」と語った。

 一方、高雄市政府は同港での観光事業を強化したい考えで、今回の大前氏の提言を機に、同市と港務局の意見対立が深まりそうだ。