公的施設の室内をほぼ全面的に禁煙とする「煙害防制法(たばこによる被害防止法)」の新規定が11日から施行されることを受け、コーヒーチェーンの丹堤コーヒーが、喫煙室を貸し切り用会議室に変更、マクドナルドも屋外エリアから灰皿を撤去するなど飲食店・ホテルなど各商業施設で対応が進んでいる。市民の認知度も80%に達しており、新規定の施行はスムーズにスタートしそうだ。10日付聯合報などが報じた。
煙害防止法新規定スタートを前に10日、西門町街頭では大規模な宣伝イベントが行われた。今後あらゆる商店の入り口に禁煙マークが張られることになる(10日=中央社)
喫煙室改装に150万元
新規定の施行により、ホテルなどの宿泊施設や量販店、飲食店などでは、独立した空調を持つ喫煙室以外での喫煙が禁じられ、喫煙設備に対する認可審査も厳格化される。これを受け、台北喜来登大飯店(シェラトンタイペイ)は150万台湾元(約407万円)をかけて喫煙室を改装して審査に合格した。一方、六福皇宮(ザ・ウェスティン・タイペイ)は喫煙室を廃止し、ウエディングコンサルタントの相談室への変更を決めた。
台北101ビルは35階の喫煙室を撤去して喫煙エリアを屋外に移し、遠企購物中心(ザ・モール)も、顧客が受動喫煙の被害を受けないよう灰皿を正面入り口から歩道の隅に移動した。新光三越は現在喫煙室を導入するかどうか検討中だ。一方、高雄統一夢時代(ドリームモール)は、各階に計5カ所喫煙室を設置済みで「合格基準を満たす設備だ」と語っているが、同市衛生局は「まだ正式な検査は終えていない」としている。
またコンビニエンスストアでも、セブン-イレブン、全家便利商店(台湾ファミリーマート)などが、既にたばこ類をレジの横から撤去し、すべてカウンター後ろ側の棚に移している。
「禁煙」表示、大部分で完了
新規定によると、11日以降商店などではすべて、入り口に「禁煙」の表示を掲げなければならないが、施行を前に9日、行政院衛生署の鄭守夏副署長が、台北市衛生局の邱文祥局長とともに台北市西門町で準備状況の視察を行ったところ、大部分の商店が掲示を終えていたという。先月に視察した際、表示を掲げている商店は約25%にすぎなかった。
なお視察を通じて、設置された表示のデザインが「可愛く」、一般的な表示とは異なるとされた若者向け百貨店の「誠品116」、透明なシールの表示で「目立たない」とされたスターバックス、「禁煙表示が宣伝用の人形に隠れて見えない」と指摘を受けた同地区のマクドナルドなどが改善を要求された。
「北部のほうが協力的」
一方大手カラオケボックス銭櫃(キャッシュボックス)では、全従業員が胸に禁煙を示すワッペンを付けたり、1曲歌い終わるごとに禁煙を喚起する広告を放映するなどしていて衛生局から高い評価を受けた。同社の呂嘉正法務長は「一般的に中南部に比べ、北部の消費者の方が新規定に協力的だ」という印象を語った。