「室内完全禁煙」をうたう「煙害防制法(たばこによる被害防止法)」新規定の施行初日となった11日は、禁煙区域でたばこを吸ったなどの違反による検挙件数が、台湾全土で26件に上った。しかし、屋外の喫煙可能な場所の規定があいまいで、行政院衛生署国民健康局(国健局)には、各地の衛生局員などから違法かどうかの問い合わせが相次いだ。12日付中国時報が報じた。
台北駅には、入り口を出た壁際に喫煙エリアが設けられており、11日も「喫煙区」の表示と灰皿が設置されたままとなっていたことから、ここで一服する人の姿が見られた。しかし国健局員によると鉄道駅、空港の管轄区域内はすべて禁煙となるため、これは違法だという。
また桃園国際空港と台北松山空港でも、構内の喫煙室と屋外の灰皿が撤去されたが、多くの空港利用客から「どうして外で吸えないのか」と苦情が寄せられた。空港側も出入り口から離れた場所であれば喫煙可能かどうか不明瞭だったので問い合わせたところ、これも違法と回答を受けた。
このほか、病院の駐車場や公園、寺院などでも規定があいまいで、執行状況に混乱が見られた。このため国健局では、「今後地方政府と協議して、禁煙区域を明確にする」としている。
11日も桃園空港ターミナル外で喫煙する旅行者。待ち時間中、一服することができなくなり、不満が出そうだ(11日=中央社)