「国際空港園区発展条例」が12日、立法院本会議で可決された。同条例の成立により、国際空港および周辺の自由貿易港園区に進出する物流・簡易加工業関連企業は、関税免除や営利事業所得税(法人税)免除などの租税優遇措置を受けられる。中台直航が実現した現在、同条例によって中国に進出する台湾企業(台商)を含め、海外企業の台湾投資加速が期待されている。13日付経済日報が報じた。
同条例は、政府の「愛台12建設」に含まれる桃園国際空港周辺の自由貿易園区および「航空城」開発を前提に、本来「桃園国際空港園区発展条例」の名称で行政院より提出された。しかし最終的に、高雄や台中といった台湾全土の国際空港への適用を考慮して「桃園」の2文字が外された。政府によると、「航空城」は空港の事業から派生する各種商業、製造・加工業、会議・展示会、娯楽・レジャー、住宅などに使用される国際空港園区周辺エリアを指す。
空港園区に進出する物流・簡易加工業関連業者への租税優遇措置により、域内および海外向けに製品を販売する業者は関税が免除される上、製品全体の10%の域内向け販売について免税措置を受けられる。また、同条例の雇用規定によると、園区内のサービス業者は中国人を含む外国人労働者を雇用することはできない。
桃園県、168目標」の早期達成を
空港発展条例の成立を受け、地元桃園県の朱立倫県長は、▽1兆2,000億台湾元(約3兆2,000億円)の投資誘致▽年間生産額6,000億元創出▽8万件の就業機会創出──の「168目標」を「できるだけ短期間で達成したい」と表明した。
同県政府は既に、桃園空港周辺の6,150ヘクタールを、▽自由貿易園区▽空港専用区▽航空関連産業地帯▽経済貿易展示会園区▽生活機能園区▽海浜レジャー園区▽農業発展園区▽空港関連産業区──の8エリアに分けて開発することを計画している。
朱県長はまた、中央政府は来年から土地徴収および工事発注を行う計画で、将来同県に20億元以上の収入をもたらし、県内の交通網整備やその他の建設項目にとって大きな支援になると指摘。その上で、「桃園市、中レキ市(レキはつちへんに歴)、桃園空港の間でゴールデントライアングルが形成される」と抱負を語った。
遠雄港・中華航・エバー航が受益
経済日報によると、空港発展条例成立による最大の受益者は、▽遠雄自由貿易港区(ファーグローリー・フリー・トレードゾーン)▽中華航空(チャイナエアライン)▽長栄航空(エバー航空)──の3社となるもようだ。航空貨物を取り扱う遠雄自由貿易港区、中華航傘下の華儲、エバー傘下の長栄倉儲の3社はともに桃園空港園区内に拠点を持ち、特に中華航は旧「過境旅館(トランジットホテル)」跡地に同社の経営総本部、訓練センターおよび新たな空港ホテルを開発することで交通部民用航空局(民航局)と50年の契約を結んでいる。
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