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デルタとエピスター、LED照明で提携へ


ニュース 電子 作成日:2009年1月15日_記事番号:T00012880

デルタとエピスター、LED照明で提携へ

 
 13日、街灯や機能照明など一気に14種類の発光ダイオード(LED)照明を発表したアダプタ最大手、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)は同日、LED用エピタキシャルウエハー・チップ最大手、晶元光電(エピスター)との戦略的提携に向け協議を進めていることを明らかにした。LED事業での垂直統合を計画するデルタは今後、エピスターに出資を行う可能性もあるとみられる。15日付経済日報が報じた。
  
 デルタは最近、LEDパッケージング、LEDドライバIC、LED散熱装置などLED照明関連企業への投資を積極化させているが、最も重要とされる川上のLEDエピウエハーへはまだ参入していない。デルタ幹部は、「自社でLEDチップの研究開発(R&D)チームを結成するほか、エピスターとの提携を進めており、今後特許権に問題のないエピスターのチップを採用し、さらに製品の共同開発および規格の制定にも踏み込む計画だ」と語った。
 
 これに対し現在7基のエピウエハー工場を保有しているエピスターの張世賢副総経理は、「デルタは当社の顧客であり、当社の高効率LEDの照明への応用は、世界でもトップクラスの効率を誇る」とコメントするにとどめている。

垂直統合がほぼ完了
 
 また、デルタ固態照明事業部の江文興・部品事業群処長は、「当社の目標は、光源が白熱灯からLEDに転換する際、台湾製の照明を国際的な表舞台に立たせること」と表明し、「垂直統合に向け、原料とLED用エピウエハー以外は展開を完了している」と語った。
 
 現在エピスターの最大株主は、万海集団経営者の陳一族で持ち株率11~12%、聯華電子(UMC)グループ10%、億光電子(エバーライト・エレクトロニクス)7%となっているが、同社株価の時価総額は200億台湾元(約540億円)に過ぎず、株式10%を取得したとしても20億元で、エピウエハー工場1基の設置に必要な30億元よりもコストが低い。このため市場では、デルタがエピスターとの戦略提携締結後、同社への出資を行う可能性が高いとみている。
 
 なおエピスターは現在董事2席が空席となっているが、同社は「急いで改選を行う予定はない。将来的には当社に貢献の大きい法人に董事に就いてもらう」としている。
 
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ライバル・ライトンとの競争激化
 
 デルタによるエピスターとの戦略提携が実現すれば、同じくアダプタメーカーから出発し、LEDや太陽電池の分野に進出している光宝科技(ライトン・テクノロジー)にとって脅威になるとみられる。ライトンはエピスターの大口顧客で、同社に董事を派遣している。