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作成日:2009年1月19日_記事番号:T00012915
消費券の魅力は絶大、指名手配犯が多数お縄に

春節(旧正月)を1週間後に控えた18日、政府からの紅包(お年玉)ともいえる3,600台湾元(約9,800円)分の消費券の配布がスタートした。内政部の統計によると、配布初日に消費券を受け取った人は約2,117万人。受領率は91%と選挙の投票率よりもはるかに高く、魅力の大きさがうかがえる。
この日は消費券を手にして誰もが大喜び!のはずだったが、実際は…悲喜こもごも。というのも、消費券を受け取りに現れ、待ち構えていた警察官からその場でお縄をちょうだいした指名手配犯も多かったからだ。
内政部警察署の19日の発表によれば、消費券の配布場所で18日逮捕された指名手配犯は台湾全土で30人。最も多かったのは台南県の8人で、次いで台北市が5人だった。
指名手配犯はまさに、飛んで火に入る夏の虫。この絶好のチャンスを逃すまいと張り込んでいた警察官に、簡単に捕まってしまった。
逮捕された指名手配犯の大多数は、覚せい剤取引や詐欺、文書偽造、窃盗などの罪だが、中には「自分が指名手配されているとは知らなかった」という間の抜けた人も。
台北市内で消費券を受け取った後、その場で逮捕された覚せい剤取引犯は、「年越しの金がないので消費券が欲しかった。警官に捕まる夢を見たが、いちかばちかの賭けだった」と話した。
彰化県で賭博(とばく)罪の罰金3,000元を支払わず、2年前から指名手配されていた容疑者(75)は、逮捕されても「差し引き600元の儲けだ」と、あっけらかんとしていたとか。
中には本人は現れず、ガールフレンドに代理で受け取らせたところを追跡され、逃げ回った挙句に捕まった窃盗犯(27)もいた。
危険を冒して消費券を受け取りに現れ、逮捕されてしまった指名手配犯たち。手にした消費券は、監獄で使うしかないようだ。