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作成日:2009年1月21日_記事番号:T00012978
映画館経営者、16億元の結婚詐欺で逮捕

映画館、絶色影城(CINEMA7、台北市万華区西門町)の呉成麟董事長(42)が20日、約16億台湾元(約43億円)に上る結婚詐欺や背任、文書偽造などの罪で逮捕された。
絶色影城および真善美戯院を経営する呉容疑者は、過去に中央電影事業公司副董事長の職につき、総統戯院、梅花戯院の経営者でもあった映画業界の大御所だ。
2004年、兄で建築家の呉成栄氏を通じ、台北市内湖区に多くの土地を持つ女性資産家と知り合ったことから、年上で離婚歴のある彼女の娘に対して熱烈な求愛を展開し、交際するようになった。
ところが、呉容疑者は05年に航空会社の客室乗務員と密かに結婚。その後離婚したものの、06年に子供ができたので再度結婚登記をしていた。
れっきとした妻子持ちであるにもかかわらず、呉容疑者は資産家の娘と交際を続け、「未来の義理の母」をだまして自らの事業に資金を投入させていた。
呉容疑者が資産家母子に出資させた資金の内訳は、▽絶色影城の基隆市土地開発案、2億2,000万元(05年)▽国民党土地開発案、2億8,000万元(05年)▽中央電影の経営権取得、10億元(06年)▽絶色影城の増資、6,000万元(07年)──など。
呉容疑者は30以上もの銀行口座を持ち、これら資金の一部を個人の懐へ取り込んでいたほか、実際に投資した土地などは、すべて自分や子会社の名義にしていたという。
資産家の母子は、08年1月に友人から呉容疑者が既婚者であることを知らされ、結婚詐欺が発覚。女性資産家は、娘にもう一度幸せをつかんでほしいと願うあまり、「未来の婿」の言いなりになっていたようだ。大型量販店から年間800万元以上の賃貸収入があった土地も手放す羽目になった。
呉容疑者を知る人は、「穏やかで女性の扱いに長けていた」と評しているとか。呉容疑者は詐欺罪で7年半以上の実刑判決を受けるとみられている。