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オバマ新政権の台湾政策、クリントン路線を踏襲か


ニュース 政治 作成日:2009年1月21日_記事番号:T00012980

オバマ新政権の台湾政策、クリントン路線を踏襲か

 
 20日に発足した米オバマ新政権による台湾政策の行方は──。

 専門家からは同じ民主党のクリントン政権時代の政策路線を踏襲し、台湾に対する軍備供与も継続されるとの見方が示された。

 中央研究院欧米研究所の林正義研究員は自由時報の取材に対し、「新政権は過去の民主党政権の台湾海峡政策を踏襲するだろう」と指摘した。

 林研究員はオバマ政権が台湾海峡問題に関し、「台湾人民の期待と最大利益に合致する」ことを前提に解決すべきという立場を取り、「両岸(中台)人民により平和的に解決すべき」としたブッシュ政権よりはやや台湾寄りの姿勢を示すとのではないかとみている。

 林研究員は「ブッシュ政権とは異なり、オバマ政権は政府関係者による往来を強化し、閣僚級の動きが高まる」と見通しを語った。

 林研究員はまた、「米国は過去に中台対話を盛んに促したが、台湾は既に対岸(中国)と積極的に接触しており、その必要はなくなった」と分析。その上で、「今年制定30周年を迎える台湾関係法は民主党のカーター政権が制定した法律であることから、オバマ政権は台湾への軍備供与を継続することになるだろう」と予測した。

軍備供与が主要テーマに
 
 一方、中国政府はオバマ政権発足の前日というタイミングを選び、2008年国防白書を発表。この中で、米国に台湾に対する軍備供与を中止するよう改めて要求した。

 国防白書は国民党政権の発足で台湾独立勢力が弱体化したことから、中台統一に関する記述が減った一方で、米台関係に関する言及が増えた。特に「安全に対する挑戦」という項目では、米国が米中関係の基礎となる「三つのコミュニケ」に違反していると批判。「台湾への軍備供与が米中関係の安定を著しく損ね、台湾海峡の安定を破壊している」と指摘した。

 本来昨年末とみられた国防白書の発表時期をわざわざオバマ大統領の就任式前日に持ってきたことから、今回の白書は中国がオバマ政権に発した「警告」と受け止められている。

 これについて、「台湾シンクタンク」の賴怡忠執行委員は自由時報に対し、「中国は反台独で勝利した後、重心を米国と台湾の関係を断つことにシフトしている。軍備供与問題は今後、米中台の三極による主要テーマになる」との見方を示した。