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NEC、台湾調達を2割縮小


ニュース 電子 作成日:2009年1月21日_記事番号:T00013005

NEC、台湾調達を2割縮小

 
 NECが、世界的な景気低迷を受け、今年の台湾調達を前年比で10~20%縮小する。久保田亮台湾NEC総経理が20日明らかにしたもので、縮小幅は100億~200億台湾元(約270億~540億円)に上り、DVD用チップやDRAMなど半導体分野では半減となる見通しだ。NECの調達縮小に、他の海外大手メーカーが追随する可能性もあり、受託生産事業を中心とする台湾メーカーにとって大きな痛手となりそうだ。21日付工商時報などが報じた。

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 経済部の統計によると、NECの国際調達事務所(IPO)が2008年に台湾で行った調達額は約30億米ドルで、日系ではソニーに次いで2位だ。台湾NECの従業員は、調達規模が前年比で縮小するのは初めてのことと指摘した。

 久保田総経理は、景気が回復すれば調達額を増やすと強調した。ただ、今後の景気見通しについては、今年の年末が景気の谷底となり、10年から上向き、11年にやっと回復すると予測している。

通信事業は調達拡大

 NECは台湾での調達規模を縮小するものの、馬英九政権が進める「愛台12建設プロジェクト」関連など通信事業にはさらに注力する。家庭向けの携帯電話用小型基地局「フェムトセル(Femtocell)」や、VDSL(超高速デジタル加入者線)設備、GPON(光ファイバーを用いたネットワーク)設備などは昨年より調達額を増やす。これにより、通信設備最大手の友訊科技(D-リンク)や智邦科技(アクトン・テクノロジー)、合勤科技(ザイセル・コミュニケーションズ)などが恩恵を受けそうだ。

 また、これまで米国メーカーに委託していたミドルエンドのサーバーについては、今年からすべて台湾メーカーに委託する。技嘉科技(ギガバイト・テクノロジー)や微星科技(マイクロスター・インターナショナル)が受注を獲得するとみられる。

PC関連は前年水準

 パソコン(PC)の調達額は前年水準とする方針だ。ノートPCの受託生産は、最大手の広達電脳(クアンタ・コンピュータ)と仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)が主力とみられている。

 NECは昨年11月、低価格ノートパソコン(ネットブック)「LaVie Light」を発売した。ネットブックでの台湾市場参入について久保田総経理は、「宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)の存在が大き過ぎる。もし両社が市場から撤退すれば、考えないことはない」と冗談を交えつつ否定した。

【表】