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身代金を運ぶ伝書バト、誘拐犯は愛鳩家


ニュース 社会 作成日:2009年1月22日_記事番号:T00013007

身代金を運ぶ伝書バト、誘拐犯は愛鳩家

 
 台北市刑事警察大隊は21日、レースに参加した伝書バトを「誘拐」し、飼い主に身代金を要求していた容疑者を逮捕した。容疑者自身も愛鳩家で、身代金の運搬に使ったのは容疑者が飼っている4羽の伝書バト。被害者は十数人に上り、被害総額は100万台湾元(約270万円)を上回ると見られている。

 伝書バトは飛行能力と帰巣本能が優れていることから、古代から通信手段として利用されてきた。これを犯罪にうまく利用したのが、いずれも薬物取引などの前科を持つ鐘栄桔(46)、包文欽(39)両容疑者だ。

 桃園県在住の鐘容疑者はもともと愛鳩家で、包容疑者と伝書バトの誘拐を計画。2人は2008年11月から、ハトレースの飛行コースとなっている台北県瑞芳の山地に網を仕掛け、レース中の伝書バトを捕獲した。

 その後、伝書バトの飼い主に身代金を要求。身代金の額は1,800元から数万元まで、ハトの品種によってさまざまだった。

 ハトを誘拐された被害者が指定された身代金の受け渡し場所に赴くと、誘拐犯の姿はなく、紙箱があるだけ。開けてみると中には1羽のハトが。被害者は犯人がハトを返してくれたものと喜ぶが、よく見ればそれは自分のハトではない。

 そのタイミングで容疑者から電話がかかり、被害者はハトの足に付けられた筒の中に身代金を入れ、ハトを放すよう指示を受ける。

 一方、鐘容疑者は自宅のベランダで、自分の伝書バトが身代金を運んで来るのを待つだけ。ハトは主人に忠実な「共犯者」というわけだ。

 容疑者らは何度もテストした結果、プラスチック製の筒が最も軽く、1万5,000元までの重さなら、ハトが途中で休まず飛べるのを確認していたという。

 しかし、高級なハトを誘拐した場合は身代金も多額となり、伝書バトでは運べない。そこで従来の口座振込の方法を使ったため、足が付いたという。