陳水扁前総統のマネーロンダリング(資金洗浄)事件の準備法廷は21日午後、台北地裁で3日目の審理を行い、陳前総統と共に起訴された長男夫妻らは罪状認否でいずれも罪を認めた。22日の台湾各紙が伝えた。
謝罪する陳致中被告。世論調査では「重大な犯行のため減刑されるべきでない」という声が多い(21日=中央社)
同日の法廷では、長男の陳致中被告、妻の黄睿靚被告、陳前総統の妻の実兄の呉景茂被告が相次いで起訴事実を認めた。陳致中被告が起訴事実を認めるかとの問いに無表情で「願意(進んで認めます)」と答えたのに対し、黄被告は声が小さかったため、裁判長に問い直される場面もあった。
陳致中被告は「葛藤があったが、最後は自分の財物ではないことを悟り、法の裁きを受けることを決めた」などと心境を語った。
家族ぐるみの資金洗浄で中心的役割を果たした長男夫妻がいずれも罪を認めたことで、無罪を主張している陳前総統は窮地に追い込まれた格好だ。
長男夫婦は法廷で、海外の口座にある資金12億7,000万台湾元(約33億8,000万円)を検察が指定する台湾の口座に送金することに同意し、出廷を拒否している母親の呉淑珍被告にも出廷を促すことを約束した。呉被告は日本や台湾の友人に託していた6億元相当の現金、貴金属を検察に提出する意向を示しているという。
一方、検察側は資金洗浄が総額7億9,000万元と過去に例がない多額に達する点を挙げ、長男夫婦は反省していないとして、重い量刑を裁判長に求めた。