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作成日:2009年1月22日_記事番号:T00013017
域内銀行の09年業績、「1400億元の赤字」=フィッチ
大手格付け機関、フィッチ・レーティングスは21日、域内銀行の2009年の総資産利益率(ROA)をアジア各国・地域で最低のマイナス0.5%とする予測を発表した。過去の業績からみると、ROAマイナス0.5%という数字は、域内銀行が今年、全体で約1,400億台湾元(約3,670億円)の損失を計上することを意味する。22日付工商時報が報じた。
フィッチは同日、日本を除くアジアの銀行業の09年業績予測を発表し、台湾と韓国(マイナス0.1)のみROAをマイナスとした。
フィッチの李信佳・資源副総経理は、今年台湾の銀行が巨額の損失を計上するとの予測について、▽中央銀行による利下げが相次ぎ、預貸金利差が縮小するなか、米リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)以前に取り込んだ全体の60%以上を占める定期預金顧客に対し、比較的高い利息を支払わなければならない▽資産管理や融資業務の縮小で、手数料収入が2年前の40%に減少している▽銀行の健全性の指標となる延滞債権比率の悪化が徐々に明確になっており、不良債権が倍増するとみられる──という3点の理由を挙げた。
また李副総経理は、「今年、体質の良くない中小銀行への撤退圧力はますます高まる」と指摘した。