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雇用創出15万件、失業対策で新目標


ニュース その他分野 作成日:2009年2月2日_記事番号:T00013092

雇用創出15万件、失業対策で新目標

 
 春節(旧正月)明けに失業が増えるとの予測が出る中、行政院は1日夜、雇用創出と失業抑制対策を含む「振興経済新方案(2009~12年)」を発表し、今年は3,300億台湾元(約8,780億円)を投じる計画を示した。蘇俊賓行政院報道官は、「同方案により、少なくとも15万件の就業機会を創出でき、失業率を1.5%引き下げて4.5%以下に抑制する効果が期待できる」としている。ただ、労働者団体などからは「古い酒を新しい瓶に注いだだけで、ただの数字遊びだ」との批判も上がっている。2日付中国時報などが報じた。
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 「振興経済新方案」は、既に実施に移しているものも含め、▽公共建設拡大▽消費券発行▽就業促進方案▽自動車貨物税(物品税)など4大減税措置▽工作所得補助方案▽充電加値計画▽08年から実施中の短期就業促進方案──の7項目を柱として4年間で計7,450億元の支出を予定している。

 同経済対策による雇用創出効果について蔡勲雄政務委員は、「今年、公共建設の拡大で12万~14万件、政府機関の公共サービスなどで2万件、外国人労働者の雇用縮小により約3万件が可能」としたが、「民間産業の協力が必要で目標達成には困難が伴う」とも語っている。

公共建設に300億元追加

 政府は今年、「振興経済新方案」7項目に4年間全体の41.5%に当たる2,969億元の支出を予定していたが、劉兆玄行政院長は1日、公共建設に300億元を追加し1,200億~1,300億元とする考えを示し、緊急性が高く、即時実行可能な工事計画の提出を急ぐよう関連部会(省庁)に求めた。

 これに合わせ、公共工程委員会(工程会)の范良銹主任委員は、大規模な建設計画は、入札・発注のスピードが遅いため、当面は▽都市景観の刷新▽商業エリアのイメージ整備▽観光スポットの改善▽歩道の段差解消──など、中小規模で地域性が強く、直ちに推進可能な工事を優先する考えを示した。

「高学歴・ハイテク・中高年」に配慮を

 一方、労働組合の全国産業総工会(全産総)の謝創智秘書長は、「同方案は、既に実行に移されているものばかりで新味がない」とした上で、「現在の失業問題は景気後退が原因で、こうした方案は一時的には失業率を引き下げるが、半年、1年と景気が回復しなければ労力の無駄遣いに終わる」と警告した。

 また、政治大学労工研究所の張昌吉教授も、「これら公共建設への投資は、ブルーカラー層救済への効果が比較的高いが、政府は産業の実情に応じて、高学歴、ハイテク産業、中高年層救済により配慮を示すべき」と指摘した。

【表】