正イ精密工業（イは山の下に威、フォックスリンク）は、モトローラから携帯電話端末５機種のＯＤＭ（相手先ブランドで設計から製造までを担当）受注を獲得し、今年上半期に１機種目を出荷する予定だが、モトローラの赤字拡大により、残る４機種の受注が取り消されたとの観測が出ている。フォックスリンクは既にモトローラ向けの部品を仕入れているとみられ、在庫処分が課題となりそうだ。５日付工商時報が報じた。
フォックスリンクは昨年下半期、独インフィニオン・テクノロジーズのプラット フォームを採用し、単価を10米ドル台に抑えたＧＳＭ方式の携帯電話を開発、これを好感したモトローラからの受注に至った。しかしモトローラは昨年、販売不振からシンガポールの物流拠点などで大幅な人員削減を実施、新機種の発売にも慎重になっているとされる。
モトローラの業績悪化を受け、同社のＯＤＭを長年担当してきた華宝通訊（コンパル・コミュニケーションズ）や奇美通訊（ＦＩＨ）も、今年第１四半期は大きな打撃を受ける見通しだ。
