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「Garmin−ASUS」、スマートフォンで戦略提携


ニュース 電子 作成日:2009年2月5日_記事番号:T00013185

「Garmin−ASUS」、スマートフォンで戦略提携

 
 華碩電脳(ASUS)は、全地球測位システム(GPS)世界最大手のガーミン(台湾国際航電)と戦略提携を結び、「Garmin-ASUS」ブランドで位置情報サービス(ロケーション・ベースド・サービス、LBS)搭載のスマートフォンを展開していく。4日の両社発表によると、今月中旬には同ブランド機種を初公開する。ASUSは同事業で来年には利益を計上できると強気の姿勢を示しているが、「責任の分担を含め協力体制をしっかり築けるかどうかが成否を分ける」などの指摘が外資系証券会社から出ている。5日付経済日報などが報じた。
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Garmin-ASUS初の機種となる「nüvifone G60」。機能性をアピールしていく(ASUS提供)

 「Garmin-ASUS」ブランド1機種目と
なる「nüvifone G60」は、2月16~19日にスペイン・バルセロナで開催される、世界最大規模のモバイル関連製品展示会「Mobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)2009」(旧名称:3GSM World Congress)に出展される。同ブランドでは、既に米通信最大手、AT&Tと提携交渉を開始しており、上半期中に発売を開始する予定だ。

 施崇棠ASUS董事長は、秘密保持協定によりガーミンとの提携の詳細を明らかにできないが、利益は適切な割合で配分すると語った。ASUSは昨年のスマートフォン出荷台数が50万台にとどまるなど、携帯電話事業で長年赤字に苦しんできたが、希望が見えてきたと同日付工商時報は指摘している。 

 両社の戦略提携について施董事長は、台湾で唯一第3世代(3G)携帯の核心技術の特許を持つASUSと、GPS世界最大手のガーミンは、技術を補完し合えると指摘。両社は現在「委員会」のような形で同ブランドを推進しているが、将来的には資本提携や合弁会社の設立などを行う可能性もあると語った。

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ASUS携帯、今後は発売せず

 施董事長はまた、今後はASUSブランドの携帯を発売しない考えを示した。高民環・ガーミンCEOも、同社のLBSサービスは今後他の携帯メーカーには提供せず、両社共同で全力でLBS搭載携帯事業に取り組んでいくと意気込みを示した。

 同ブランド機種の販売業務は、両社がそれぞれ得意な地域を担当する予定だ。ASUSがアジアや東欧市場を、ガーミンが米国や西欧市場となるとみられている。

 2年前からガーミンの受託生産を請け負ってきたASUSが、今回の戦略提携に踏み込んだことについて、外資系証券会社からは評価の声も上がる一方、実際の成否は▽両社の明確な役割分担▽通信業者との提携▽コスト管理▽組織体制の構築──などへの取り組み次第だという指摘がなされている。

市場規模は13年までで30億台

 ASUSによると、LBSやGPS機能搭載のスマートフォン市場規模は、07~13年で計30億台に上り、13年にはLBSサービスの利用者が19億ユーザーに上るという。

 スマートフォンの世界市場シェアは昨年第3四半期、▽首位ノキア、38.9%▽2位アップル、17.3%▽3位カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)、15.2%(ブラックベリー開発メーカー)▽4位、モトローラ、5.8%▽4位宏達国際電子(HTC)、5.8%──となっている。

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