ニュース 電子 作成日:2009年2月9日_記事番号:T00013248
9日付経済日報によると、液晶パネル最大手、友達光電(AUO)の中部科学工業園区(中科)工場で最近、急激な受注増に対応するため、生産ラインの従業員に対し無給休暇実施を取り消す通達が相次いで出されている。今回の受注急増は、中国政府による農村への家電普及プロジェクト「家電下郷」の全国への拡大を受けての現象とみられる。昨年、電子産業でいち早く不景気の波に見舞われたパネル産業は、回復も他の分野より早く迎える可能性がある。
AUOと業界2位の奇美電子(CMO)は、康佳(コンカ)集団、海信集団(ハイセンスグループ)、TCLなど中国のテレビメーカー9社からのテレビ用パネル受注額が、年初来合計で約730億台湾元(約2,000億円)に上っているという。投資信託会社によると、「家電下郷」プロジェクトの拡大を受け、中国では液晶テレビの需要が高まっており、特に19、22、26インチ型製品が人気となっている。
AUOは現在のところ、正式に無給休暇の取り消しを発表していないが、同社の中科工場に勤める従業員によると、無給休暇が実施される前に、職場に復帰するよう通達が出されたという。これについて同社では、「一部の生産ラインでは受注が増え労働力需要も高まっているが、一部では依然受注が少なく無給休暇を比較的多く実施する」と答えている。
奇美電、2月に中国で1千人補充
AUO、奇美電では、台湾における前工程、中国での後工程モジュール(LCM)ともに労働力が不足している状況だ。奇美電がLCMの生産拠点とする寧波保税区の労働統計によると、同区における液晶光電関連企業の当面の人材募集規模は3,000人を超えている。また、寧波奇美電子の趙森林副総経理が「2月は生産現場の従業員を1,000人増やし、3月の受注に備える」という方針を表明し、奇美電傘下で中小型モジュールを生産する奇信電子でも、「今年の受注は昨年同期には劣るものの、既に4月まで決まっており、当社では春節前に200人を緊急採用したが、それでも人手が全然足りない」と語っている。
液晶パネルの生産ラインでは、実際の生産現場に就くには少なくとも6カ月の訓練期間が必要とされるが、受注が急増している現在、経験のある従業員を既に解雇し、新しく雇った従業員はまだ戦力にならないといった状況で、労働力不足が拡大しているという。
部品メーカー、いっそう苦境に
また多くのパネル部品メーカーでもリストラを進めており、パネルメーカーから急に受注が入っても十分な人手が確保できない状態だ。経済日報によると、パネルメーカーに古い部品在庫が残り、部品メーカーでも在庫消化のため新しい部品を供給したがらない状況の下、部品メーカーは供給価格の値下げを求められ、よりいっそう苦しい立場に立たされているようだ。
長期的な景気動向が依然不透明な中、パネルメーカーは大規模な人材と部品の補充を行う考えはないとみられ、今後しばらく、人材・材料不足が続くとみられる。
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