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作成日:2009年2月10日_記事番号:T00013262
保険大手エイゴン、台湾撤退か
10日付経済日報が消息筋情報として伝えたところによると、オランダ系保険大手エイゴン(全球人寿)が台湾市場からの撤退を決め、投資銀行のJPモルガンに事業譲渡先の選定を依頼したもようだ。譲渡額は40億台湾元(約108億円)が見込まれ、金融持ち株会社や生保各社と接触しているとみられる。
同社台湾法人の広報担当は「市場のうわさにはコメントしない」として、言及を避けている。
世界的な大手保険会社は、金融危機を受け海外事業の経営に慎重になりつつあり、最近もオランダ系金融大手INGグループが昨年、保険契約に関する国際財務報告基準「IFRS4」に基づく責任準備金積み立て負担を嫌い、台湾でING安泰人寿を富邦金融控股に売却したばかりだ。
市場関係者は、エイゴンが台湾法人に280億元もの増資を行ってきたことからみて、40億元での事業譲渡は「損失覚悟だ」と分析している。現在は買い手市場でもあり、希望価格での譲渡が実現するかも不透明な状況だ。
エイゴンの撤退に当たっては、台湾法人が保有する彰化銀行株2.5%の処理問題も注目される。
一方、台新金控も2007年6月に、エイゴンと生保合弁会社「台新全球人寿」を設立することで合意しているが、認可手続きの遅れなどから、進展が見られないままだ。