ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

新竹科学園区の進出企業、昨年12%減収


ニュース 電子 作成日:2009年2月12日_記事番号:T00013344

新竹科学園区の進出企業、昨年12%減収

 
 新竹科学工業園区(竹科)に進出する企業の2008年の合計売上高は1兆80億台湾元(約2兆6,800億円)で、前年比12.06%のマイナス成長となった。金融危機を発端とする世界的な景気低迷がハイテク産業に与えた打撃は大きく、中部科学工業園区(中科)、南部科学工業園区(南科)を合わせた域内3大科学園区ではマイナス6.55%と、IT(情報技術)バブル崩壊の影響を受けた2001年以降で、初の前年割れとなった。行政院国家科学委員会(国科会)の統計を基に12日付工商時報などが報じた。
T000133441

 
 3大園区進出企業の昨年の合計売上高は1兆8,417億元だった。このうち中科は前年比7.72%増の2,862億元、南科は2.03%減の5,475億元で、売上規模が全体の半分以上を占める竹科が最も不振に見舞われた。

 陳力俊・国科会副主任委員によると、3大園区は昨年1~10月までは、売上成長率が目標を3.4ポイント上回る好調で、特に中科では上半期の成長率が50%に上った。 しかし金融危機勃発(ぼっぱつ)によって11、12月に消費が急速に冷え込み、光電やIC製品の需要が大きく落ち込んだことが響いたという。国科会は当初、前年比13%増の2兆2,300億元に昨年目標を設定していた。

 竹科の売上高は2001年、ITバブル崩壊で、前年の9,293億元から6,625億元へと一気に30%近く下落している。陳副主任委員は、昨年のマイナス幅は01年と比べるとそれほどひどくないと強調した。今年の3大園区の売上高は、景気の谷底がまだ見えず、前年水準維持でも好成績だと慎重な見方を示した。また来年は10%成長が見込めるとしている。

 顔宗明・竹科管理局長は、今年第2四半期の半導体業界の受注率は現時点で60%で、ITバブル崩壊当時の設備稼働率50~60%と同水準だと指摘。今回の不況の影響は大きいが、年末に設備稼働率が80%まで上昇すれば、景気回復が期待できると語った。

精密機械とバイオは成長

 3大園区の昨年売上高を産業別で見ると、前年比マイナス成長だったのは、▽パソコン(PC)とその関連、791億元(前年比17.52%減)▽通信、348億元(10.31%減)▽光電、7,524億元(6.74%減)▽半導体、9,220億元(6.54%減)──。一方で、▽精密機械、405億元(26.96%増)▽バイオテクノロジー、74億元(19.35%増)──が伸びを示した。ただこれらの売上規模は大きくなく、全体の売上高を引き上げるには至らなかった。

【図】