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パネル業界、Q4赤字906億元に


ニュース 電子 作成日:2009年2月13日_記事番号:T00013376

パネル業界、Q4赤字906億元に

 
 群創光電(イノルックス・ディスプレイ)を除く、液晶パネル専業メーカー各社は昨年第4四半期、損失額が合計906億台湾元(約2,400億円)に上り、証券会社の事前予測を大きく上回った。ウォン安の恩恵でコストが低下し、小幅な赤字にとどまった韓国勢との差が浮き彫りとなった形で、今後台湾メーカーは資本支出を抑えて難局を乗り切りたい構えだ。13日付工商時報が報じた。
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 昨年第4四半期は、不景気による需要の低迷から全世界のパネルメーカーが赤字となる中、台湾メーカーはライン稼働率が過去最低の50%以下にまで落ち込み、さらにパネル価格も20%以上下落したため、現金コストを割るほど事態が悪化した。

奇美電は過去最悪の赤字

 台湾メーカーの中で昨年第4四半期、最大の赤字を計上したのは、12日に業績を発表した奇美電子(CMO)で、損失額は314億元と単期で過去最悪となった。第4四半期の大幅赤字が響き、同社は昨年通年でも65億5,000万元の赤字に転落した。

 その他主要3社の同期赤字額は、▽友達光電(AUO)、265億元▽中華映管(CPT)、119億元▽瀚宇彩晶(ハンスター)、78億元──だった。

 厳しい業績結果を受け奇美電の何昭陽総経理は、「第1四半期も稼働率は34~45%にとどまる」という悲観的な見通しを示した上で「今年の資本支出は300億元まで減らす」(昨年は1,045億元)と発言した。

4社の資本支出、昨年の奇美電1社以下

 その他各社の今年の資本支出は、▽AUO、500億元▽中華映管、60億元▽ハンスター、5億元以下──と予想されており、4社合計でわずか865億元と、昨年の奇美電1社の支出にも及ばない水準となっている。

 一方韓国メーカーでは、LGディスプレイ(LGD)の第4四半期損失額が約166億元となったが、これには米国での反トラスト法(独占禁止法)違反で受けた罰金4億米ドルを含むため、実質的な損失は50億元以下にとどまるなど、台湾メーカーほどの業績悪化には見舞われなかった。ウォンの第4四半期の対米ドル下落幅は10~20%と、台湾元の下落幅を大きく上回ったことが主な要因で、台湾勢は輸出競争力を低下させた結果、稼働率の大幅低下を招いたとみられる。

価格下落で在庫損失拡大

 台湾パネル業界の第4四半期の赤字は、受注急減と価格の大幅下落による巨額の在庫損失によってもたらされた面が大きい。奇美電とAUOが計上した同期の在庫損失額はそれぞれ100億元以上に上った。

 ただ工商時報では、現在も出荷枚数、売上高に大きな回復は見られないものの、在庫消化が進み、今年に入ってパネル価格も下げ止まりを見せるなか、台湾パネルメーカーの「流血」状況は今後好転に向かうと指摘している。

【図】