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生活苦にあえぐタクシードライバー、車内で寝泊まり


ニュース 社会 作成日:2009年2月17日_記事番号:T00013411

生活苦にあえぐタクシードライバー、車内で寝泊まり

 
 景気低迷が長期化し、人々の財布のひもは固くなるばかり。タクシーを利用する人もすっかり減り、タクシードライバーの収入も激減。生活苦のために、タクシーに寝泊まりするドライバーも増えている。

 毎晩午後10時を過ぎると、台北県三重市の重新橋や忠孝橋、台北橋、高速道路の橋の下、三重市役所近くの道路脇は、タクシーでいっぱいになる。車内は無人かと思えば、そうではない。布団や蚊帳(かや)を掛けたドライバーが眠っているのだ。

 2年前に雲林県からやってきた阿豊さんもその1人。三重市内に部屋を借り、タクシードライバーとして働いていたが、不景気で商売は上がったり。朝から晩まで運転しても収入は月2万台湾元(約5万4,000円)ほどにしかならない。中風の父親に多額の医療費がかかる彼は、月5,000元の家賃を節約するため、タクシーに寝泊まりするようになったという。

 一方、家や家族があっても自宅に帰らず、タクシーで暮らすドライバーもいる。帰宅すれば家族からお金を無心されるからだ。

 生活苦のタクシードライバーが車に寝泊まりするのは、もはや珍しいことではない。夜のドライブインやサービスエリアは睡眠スポットとして人気だ。彼らは1週間に1度、台北近郊の陽明山の温泉で入浴し、ついでに汚れた服を洗い道端で乾かすとか。

 タクシードライバーが過労死する悲しいニュースも伝えられている。中度の障害者で、心臓病、高血圧などの慢性疾患もあった陳秋池(49)さんが、三重市市役所近くの道路脇に駐車したタクシーの中で遺体となって発見されたのは今月14日のこと。陳さんは、朝8時から夜11時まで毎日15時間、ほとんど休みなく年中働いており、休憩中に過労による心臓発作を起こしたとみられている。

 陳さんが残したのは、売上金2,200元と、中古タクシーを購入した際の負債10万元余り。16日、不憫(ふびん)に思った三重市長から陳さんの家族に慰問金2万元が贈られたという。