ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

石油化学業界、ASEANとの競争激化を懸念


ニュース 石油・化学 作成日:2009年2月18日_記事番号:T00013457

石油化学業界、ASEANとの競争激化を懸念

 
 東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)で来年から石油化学製品の大幅な関税撤廃が進むことに台湾企業が危機感を強めている。
 
 18日付工商時報などによると、石油化学業界団体「台湾区プラスチック原料工業同業公会」の洪福源理事長(台湾化学繊維総経理)は「ASEANプラス3の関税撤廃で、台湾の域内総生産(GDP)の70%を占める輸出産業は競争にならなくなり、輸出市場の3分の2を差し出すことになる。台湾にとっては致命的な一撃になる」と指摘し、この解決策として、中国との総合的経済協定(CECA)の早期締結を求めた。また、中台窓口機関による第3回トップ会談(江陳会談)では、石油化学、プラスチック、紡織繊維などの分野での関税撤廃問題が話し合われるべきだと訴えた。
 
 台化が中国に輸出する石油化学製品の場合、関税5.5%と反ダンピング関税3%がかかり、競合のタイ製品に比べ8.5%の関税が加算されるため、製品価格で1トン当たり50ドル程度の差が生じる見通しだ。
 
 洪理事長は「台湾の輸出産業は既に『集中治療室』に入った状態で、これが『霊安室』行きとならないように政府の支援策が望まれる」とした。
 
 台湾の石油化学産業の生産額は2007年段階で年間4兆台湾元(約10兆7,000億円)で、製造業生産の30%を占める。洪理事長の発言は、中国への生産シフトが進み、台湾の雇用市場には深刻な影響が及ぶことへの危機感がにじんでいる。
 
 洪理事長は台湾が中国とCECAを結び、関税引き下げを図ることが唯一の打開策だとみている。洪理事長は「CECAは台湾を売り渡すものではなく、台湾を救うものだ」と述べ、反対勢力をけん制した。