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中国人配偶者、仕事の壁に直面


ニュース 社会 作成日:2009年2月19日_記事番号:T00013472

中国人配偶者、仕事の壁に直面

 
 台湾の国際結婚のうち、配偶者が中国大陸出身者のカップルは全体の7割を占め、目下29万組。中国人配偶者は大部分が女性だが、他の国籍の配偶者に比べ、就労などさまざまな面で依然差別待遇を受けている。

 北京出身の袁暁麗さんは名門、浙江大学の経済学部を卒業後、難関を突破して中国の外交部(外務省)に就職。駐米外交官となった彼女は、米クリントン元大統領や英エリザベス女王を接待した経験を持つエリートだった。

 その女が5年余り前、ひょんなきっかけから台湾大学法律学科卒業の台湾人男性、徐さんと交際することになった。2人は中国と台湾の遠距離恋愛が実り、2004年3月に結婚。袁さんは4月に台湾への渡航申請を出した後で、妊娠が分かった。  しかし、中国外交部に属していた経歴のため、すぐに台湾へ渡航することはできず、妊娠を理由に再度申請し、やっと台湾に入境できたのは6月末だったという。

 当時の規定では、中国人配偶者は結婚後6年間は特別なケースを除き、就労権がなかった。袁さんにとって働けないということは苦痛だった。家庭に閉じ込められて悶々とし、いっそ北京へ帰ってしまおうかと思ったこともあったという。

 中国人配偶者の就労規制が緩和されたのは、08年4月。未成年の子女がいる場合に限り、入境後すぐの就労が許可されるようになった。袁さんが直ちに就労許可を得て、働き始めたのはいうまでもない。

 袁さんは、中台カップルの離婚率が高い背後には、中国人配偶者は結婚して台湾に来ても仕事をすることができない、自分の生活圏がない、夫は仕事で忙しい、などの原因があることを指摘する。

 司法界も中国人配偶者の権益はまだまだ改善の余地があると見ており、内政部移民署も中国人配偶者の待遇をその他の外国人配偶者と平等にするよう、法改正を検討しているという。