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《−3%の衝撃》今年の輸出、20%の大幅減へ


ニュース その他分野 作成日:2009年2月19日_記事番号:T00013500

《−3%の衝撃》今年の輸出、20%の大幅減へ

 
 行政院主計処は18日、今年通年の輸出額は前年比20.1%減の2,042億米ドルになるという予測値を発表した。台湾は実質域内総生産(GDP・支出面)の68%を輸出が占めており(2008年)、世界的大型不況による輸出不振は、経済成長率を押し下げる最大要因となる。また、通年の民間投資は28.07%減、民間消費はわずか0.82%増と低迷する見通しで、これらの指標から、主計処が同日示した今年の経済成長率の予測値は過去最悪のマイナス2.97%と、衝撃的な数値となった。19日付経済日報が報じた。
 
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 主計処によると、輸出の20.1%減少は、1955年以来で最大の下げ幅となる。一方、輸入はマイナス26.2%の1,777億米ドルと、過去最悪の減少となる予想だ。貿易総額の予測値は3,819億米ドルで、実際に4,000億米ドルを下回れば05年以来4年ぶりとなる。
 
 輸出は昨年第3四半期は8.04%の成長だったが、金融危機の影響で第4四半期に一挙にマイナス24.71%へと落ち込んだ。今年第1四半期はマイナス31.81%、第2四半期は29.36%、第3四半期はマイナス21.02%と4四半期連続で大幅なマイナス成長が続き、第4四半期になってはじめてプラス成長になるという予測だ。
 
 主計処は輸出が大幅に減少する理由について、台湾企業の製品は景気循環と連動したものが多く、また、受託製造が中心のため、景気の影響をより受けやすいためと説明した。
 なお、輸入額の今年第3四半期までの見通しは、▽第1四半期、マイナス41.06%▽第2四半期、マイナス33.73%▽第3四半期、マイナス29.3%──だ。
 
民間投資増加率、31ポイント下方修正
 
 今年の民間投資額は前年比28.07%減の1兆3,512億台湾元(約3兆6,500億円)の予測で、史上2番目の減少幅となる。従来予測では2.87%の増加で、実に30.94ポイントもの下方修正となった。昨年第4四半期の民間投資成長率はマイナス32.23%、08年通年ではマイナス13.47%となった。
 
 今年政府による投資は過去最大の前年比22.14%増、公営事業による投資は4.91%増が見込まれている。しかし民間投資の減少は補えず、今年域内の固定投資はマイナス17.76%ととなる見通しだ。
 
民間消費、昨年初のマイナス成長
 
 今年の民間消費は0.82%のわずかなプラス成長となる予想だ。昨年通年ではマイナス0.29%で、1961年に統計を開始して以来、初のマイナス成長となった。
 
 今年の民間消費が引き続き低迷する理由について主計処では、失業率上昇と所得の減少、資産縮小の3点のマイナス要素を挙げている。今年第1四半期は消費券発給の影響で0.64%のプラス成長となったものの、第2四半期は再びマイナス0.33%に落ち込む見通しだ。
 
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1人当たりGDP、05年水準に後退
 
 貿易、民間投資、民間消費の落ち込みから、今年の経済成長率は過去最悪のマイナス2.97%となる見通しだ。
 
 今年の四半期ごとの経済成長率は、▽第1四半期、マイナス6.51%▽第2四半期、マイナス6.85%▽第3四半期、マイナス2.67%▽第4四半期、4.5%──となる予測で、マイナス成長は昨年第3四半期から今年第3四半期まで5期連続で続く。
 
 また、GDPは12兆7,098億元と06年の水準に後退する。1人当たりGDPは台湾元の対米ドルレート下落の影響もあって前年比9.38%減の1万5,509米ドルと、05年の水準に逆戻りする。
 
 なお、昨年第4四半期の経済成長率はマイナス8.36%で、この結果、08年通年の成長率は0.12%とほぼゼロ成長となった。
 
【図】
 
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