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「パネル成長率は3年後1けたに」、友達次期総経理が警告


ニュース 電子 作成日:2007年7月5日_記事番号:T00001354

「パネル成長率は3年後1けたに」、友達次期総経理が警告

 9月に友達光電(AUO)の総経理兼営運長への就任が決まっている陳来助同社製造総部資深副総経理は5日、台北市で開かれた「FPD Expo Taiwan」での講演で、「パネル業界の成長率は2010年に1けた台に落ち込む」という見通しを明らかにした。

 陳氏によると、パネル需要のピークは2年前の05年で、業界全体の成長率は56.8%に達した。しかし普及が進んだことで、今年はその半分以下の24%で、10年は約9.8%まで縮小するという。また、需要が高まるピーク期の期間はどんどん短くなる。

 大型パネルを使う製品では、液晶モニターが最も早く飽和状態に達する。今年の成長率は14.2%だが、来年は9.5%と1けた台になる。10年の予想値は4.6%だ。今年51%の高成長率を記録する液晶テレビも10年には12%まで落ち込むと見込んでいる。
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大型液晶テレビなどは、普及が進むことでさらなる価格下落が期待できそうだ(YSN)


 需要ピーク期については、03年第1四半期から04年第2四半期までの1年半の間に7回ものピーク期があったが、05年は通年で3回、06年は2回にまで減った。

 陳氏は、「こうした市場の傾向は、準備を怠るパネルメーカーには脅威」と前置きした上で、「世界3大パネルメーカーで、各種ソリューションを創造する当社にとってはチャンスであり、今後もリーダー的地位を維持していく」と強調した。強みの組織力を生かし、サプライチェーンのあらゆるポイントを最適化するとともに、下流のリソースを統合していく考え。また、佳世達科技(明基電通の9月からの新名称)が重要な戦略パートナーになるという見方も示した。

設備投資に影響

 パネルの需要減速は、メーカーの設備投資に直接影響しそうだ。世界最大のパネル向けCVD装置メーカー、米AKTの姜仁斗総裁は、「今後数年間、投資は緩慢になり、新たな生産ライン増設は大幅に減る」と語る。

 シャープによる世界初の第10世代工場の生産開始は早くて10年、LGフィリップスLCD(LPL)の第8世代工場は早くて09年で、大手パネルメーカーが、第8世代以降は供給過多の懸念から投資スピードを落とすことが分かる。

 なお、同社は今年上半期は新工場向けの設備受注が1件もなかったということで、こうしたパネルメーカーによる投資抑制を根拠に、来年下半期にパネル需要の逼迫が起きる可能性を予想している。