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手錠掛けずに逮捕、台北県が人権重視姿勢


ニュース 社会 作成日:2009年2月25日_記事番号:T00013604

手錠掛けずに逮捕、台北県が人権重視姿勢

 
 台北県政府は24日、警察が容疑者を逮捕する際、「危険性があるか急迫している場合を除き、基本的に手錠を掛けない」という原則を発表した。容疑者の人権を尊重するという姿勢だ。

 実はこの背景には、警察のやり過ぎが指摘される事件があった。今月12日、台北県政府警察局淡水分局が淡江大学周辺でアダルトディスクや漫画を違法販売していた貸本屋を摘発。店内でアルバイトをしていた淡江大学の女子学生2人を風化妨害罪容疑で現行犯逮捕し、手錠を掛けて派出所へ連行したのだ。

 この事件で、アルバイト店員に手錠まで掛ける必要があったのかと警察への批判が続出。台北県では昨年、コンビニエンスストアやレンタルビデオ店の店員も手錠を掛けて逮捕しており、「警察国家の復活」「白色テロの再現」と警戒する声も出ている。

 周錫イ(イは王へんに韋)台北県長は、「警械使用条例」関連規則に基づき、警察が手錠や銃を使用するのは、危険性があるか急迫している場合だと指摘。「貸本屋のアルバイト店員は店長の指示で店内を管理しているにすぎず、警察官に危害を与えたり、逃亡する恐れもなかった」と、警察の行為はやり過ぎだったと批判した。

 これに対して警察側からは、新米警官は社会経験不足から、実際の状況に応じてうまく対処できるとはいえず、教育の必要があると反省の弁も。

 例えば、今月初めに台中県で道端の花を採り現行犯逮捕された主婦(手錠を掛けられ7時間拘束)のような前科のない高齢女性や、事情聴取に協力的な飲酒運転者の場合などは、明らかに手錠を掛ける必要はあるまい。

 しかし、逃亡の恐れがある場合や、警察官が不利な状況にある場合、または容疑者が自殺する可能性がある場合などは、やはり手錠を掛けるべきだとしている。