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作成日:2009年3月2日_記事番号:T00013722
パネル業界への効果限定か、「家電下郷」に冷めた評価
中国が農村部への家電普及を目的に補助金を支給する「家電下郷」政策が、液晶テレビ普及の起爆剤となり、台湾メーカーも恩恵を受けるとの観測が浮上する中、クレディ・スイス証券はこのほど、同政策による台湾の液晶パネルメーカーへの増収効果は2%に満たないとする分析を明らかにした。28日付工商時報が伝えた。
家電下郷政策は、液晶パネルの需要低迷をてこ入れする効果があるとされたが、同証券の分析に基づけば、現在の供給過剰局面を打開するほどの効果は期待できないことになる。
同社のアナリスト、フェリックス・ルスリ氏は、液晶テレビの場合、補助金の支給対象は価格が2,000人民元(約8万円)以下の商品に限られており、これでは26インチ以下の商品しか購入できず、中国の液晶テレビ出荷量全体の18%しか支給対象にならない点を指摘。26インチ以下の液晶テレビの販売価格は低いため、液晶パネルメーカーに対する増収効果も限定的なものになると分析した。
中国政府は2月から開始した同政策で、4年以内に9,200億人民元の消費誘発効果があると試算したが、現地報道によれば、同政策の対象となる商品は「在庫処分品」だという認識が消費者の間に根強く、政策効果は当初予想を下回っているという。また、13%という補助金支給率が家電量販店の2割を超える値引率に比べ魅力を欠くことも不人気の背景となっている。