日本のエルピーダメモリと米マイクロンの間で主導権が争われ、注目を集める台湾のDRAM産業再編について、尹啓銘経済部長は5日午後1時半から記者会見を行い、統合のプラットフォームとなる「台湾記憶体公司(TMC)」を設立し、同社経営陣の召集人に宣明智・聯華電子(UMC)名誉副董事長が就任すると発表した。
会見に同席した宣明智氏は、「直ちに統合を進めるための準備部隊を結成する」と語り、今後3カ月以内にエルピーダおよびマイクロンと技術供与および知的財産権についての協議を終え、条件の有利な1社を技術母体として6カ月以内に新会社を正式に設立する考えを表明した。なお政府による新会社への出資は50%以下となる見込みだ。
なお宣明智氏については先ごろ台湾メディアから、「UMCはエルピーダと友好関係にあり、宣氏が召集人として再編を主導するということはエルピーダ陣営の統合案採用を意味する」という市場の見方が報じられた。
中部科学園区が統合拠点か
5日付経済日報は、新会社は中部科学工業園区(中科)を拠点とするとの見方を伝えている。同園区には既に瑞晶電子(レックス・チップ・エレクトロニクス)、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)が進出しており、合計月産能力が12インチウエハー換算で20万枚を超え、新会社にとって「即戦力」とできることがその理由だ。事実であれば、台湾DRAM産業の拠点が従来の新竹科学園区(竹科)から中科に移ることになる。