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中国の輸出税還付調整、台湾企業に打撃


ニュース その他分野 作成日:2007年7月9日_記事番号:T00001405

中国の輸出税還付調整、台湾企業に打撃

 
 中国が7月1日より2,800品目を対象に輸出税還付の撤廃・引き下げを行った影響で、中国に展開している従来型産業の台湾企業の粗利益が、当面4~5%減少する見通しだ。各企業は生産品構成の見直し、一部製品の海外移転などにより対応する構えだ。9日付経済日報が報じた。

 中国は今回、生産時にエネルギーを大量消費する商品や、環境汚染を引き起こしやすい商品など、553品目について輸出還付税を取り消し、貿易摩擦を引き起こしやすい商品2,268品目は税率引き下げを行った。これらは税関取り扱い品目の37%に達し、特にガラス、タイヤ、自転車、紡織、靴などの従来型産業企業への影響が大きい。

 
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 セラミック用うわぐすり製造の台湾・中国製釉集団は、製造コストが13%上昇する計算となるため、インドネシアの新工場が稼働する8月以降、中国3工場の製品は輸出せず全て中国国内市場向けの出荷とする。

 浴室設備生産の和成集団は磁土を中国から輸入しており、昨年第3四半期に中国が輸出還付税率を従来の13%から8%に引き下げたことにより、製品コストは単月当たり200万台湾元上昇したが、今月の再調整によってさらに打撃を受ける。

 タイヤも還付率が5%に下がったことにより、正新橡膠工業、建大工業は当面の粗利益がさらに圧縮する。

「生産拠点として依然魅力」の声も

 こうした状況の中、在中台湾企業はさまざまな手段でコスト削減に取り組むもようだ。

 蛇口・セラミック浴室設備製造で業界首位の成霖企業(グローブ・ユニオン)は、「ブランド商品の生産増、品質改善、輸出加工区への移転、生産ラインの柔軟性増」で対応する考え。織布の偉全実業(ウィッシャー・インダストリアル)は服飾製品の生産比率を減らして、バッグやベビーカーの生産を増やす。また、東南部沿海地方に大型生産ラインを構えるある靴メーカーは、「製品構成を見直し、低価格の大量製品はベトナムやインドネシアに移転する」としている。

 これに対し、アパレル大手の聚陽実業(マカロット・インダストリアル)は、「オファー価格の調整はせざるを得ないが、それでも中国工場はワーカーの熟練度、効率、それに供給チェーンを合わせた競争力でカンボジアやベトナムを大きく上回っている」と語る。人民元の対米ドルレートが1米ドル=6元の水準まで上昇しない限り、乗り切れるという考えだ。

 このほか、自転車は還付率が従来の13%から9%に下がったが、巨大機械工業(ジャイアント)の劉金標董事長は、「生産管理と材料コストをしっかり管理できれば、衝撃はさほどでもない」と語っている。