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コンパルのノートPC、生産フル稼働に


ニュース 電子 作成日:2009年3月31日_記事番号:T00014413

コンパルのノートPC、生産フル稼働に

 
 ノートパソコン受託生産2位、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の陳瑞聡総経理は30日、欧米市場の需要回復によって、ノートPC生産ラインが既にフル稼働に達したことを明らかにした。年初以降の緊急受注増加を受け、春節(旧正月)前後に生産ラインに1万人余りを増員して従業員数が2万5,000人余りに増えたが、ハイシーズンの下半期に備え、6月にもさらに30%の増員を計画している。31日付経済日報が報じた。
 
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 市場動向の予測が正確だと定評があり、「鉄の口」の異名を持つ陳コンパル総経理は、「今年はデスクトップPCからノートPCへの需要シフトが加速する。さらに下半期には、インテルの新型省電力CULVプラットフォームを採用した低価格ノートPC(ネットブック)が市場に出回り、ノートPCの世界市場全体の出荷台数は、通年で前年比15~20%成長する」という予測を示した。同社の出荷目標である前年比30%増の3,200万~3,500万台も、達成可能と自信を見せた。

 同社は1月の出荷台数が150万台、2月は前月比で50%近く増え220万台となった。3月もさらに成長しており、第1四半期は出荷目標の620万台を超える可能性が高いとしている。 ノートPCを生産する中国江蘇省の昆山工場では、春節前後のわずか3週間で1万人を増員したが、9~10月の受注増を見込んで6~7月にもさらなる増員を計画しており、従業員数は3万~3万2,000人に達する見込みだ。

 PCの世界市場規模は今年の1億5,000万台から、2012年に4億台まで拡大し、うちノートPCが3億台余りを占めるとみられている。コンパルは来年、景気が回復すれば出荷を20%伸ばし、2012年には世界シェアを維持したまま、出荷台数を6,000万台余りまで成長させたい考えだ。そのため昆山工場だけでは生産能力が不足すると見込んでベトナム工場を設置し、9月に試験生産に入る予定だとしている。

「企業のノート購入、年末に回復」
 
 陳総経理は、現在はビジネス用ノートPCの市況が最も悪いと指摘した。大企業でも人員削減が行われ、IT(情報技術)設備を新規購入しないためと分析している。ただ景気が回復に向かえば企業はノートPCの買い替えに動くとみており、年末には需要回復が期待できるとの見方を示した。

 景気全体の見通しについては、不透明だとしている。「金融危機に端を発する世界的な景気低迷は、世界経済全体が大病にかかったようなものだ。今は病状が落ち着いてきたが、正確な回復時期は誰にも分からない」との見方だ。一方、業種別では、半導体や液晶パネル業界では不況の打撃が大きいが、投資額も売上規模も比較的小さいノートPC受託生産業界への影響はそれほど大きくなく、生産量が30~40%減ったところで労働力の調整で対応できると語った。
 
【図】