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作成日:2009年4月3日_記事番号:T00014479
中国人に一番人気の故宮土産、「翠玉白菜」は中国製

「白菜!白菜!600台湾元(約1,800円)の白菜をちょうだい!」「白菜」を買うために大勢の中国人が群がっている。とはいってもここは市場ではなく、故宮博物院の土産物売り場だ。
「白菜」というのは、故宮博物院の有名な翡翠(ひすい)の彫刻「翠玉白菜」のレプリカのこと。本物の白菜そっくりで、葉の上にはイナゴとキリギリスが一匹ずつ止まっている。
「翠玉白菜」はもともと紫禁城の永和宮に陳列されていたもので、清の皇帝、光緒帝の側室だった瑾妃の嫁入り道具といわれる。白菜は「清廉潔白(女性の純潔)」を、昆虫は「子孫繁栄(多産)」を象徴しているとか。
故宮博物院の土産物売り場を訪れる中国人観光客のお目当ては、このレプリカだ。長さ約11センチのものが1,200元、7センチのものが600元と決して安くはないが、これを買わずには台湾旅行に来たかいがない、とばかりに誰もがこぞって買い求める。
ところが今月1日、このレプリカが実は中国製だったことが、立法委員の指摘で判明した。中国で作られたレプリカは、中国人観光客によってまた生まれ故郷に持ち帰られているというわけだ。
これを受けて故宮博物院は1日、レプリカをいったん売り場からすべて撤去したものの、今度は「台湾設計、中国製造(Design inTaiwan, Made in China)」とラベルを張り替え、3日
からまた販売を再開した。
馮明珠・故宮博物院副院長によると、故宮博物院の記念品はすべて台湾で設計、開発しており、提携業者66社はすべて台湾メーカー。記念品のうち2~3種は中国で製作されているが、いずれも合法的な商品であり、故宮博物院が販売停止の要求はできないとの見解だ。
ちなみに、中国人観光客に人気のある国父紀念館でも、記念品の3割は中国製だとか。本物の「翠玉白菜」だって、元を正せば中国製。そんなに目くじら立てることもなかろうに。