ニュース
社会
作成日:2009年5月4日_記事番号:T00015100
多過ぎるマンホールの蓋、台北市内に28万個も!

台北市内にマンホールの蓋(ふた)が一体いくつあるかご存じだろうか?答えはなんと28万122個。道理で歩きにくいはず、とうなずかれる方も多いかもしれない。
マンホールは下水道や地中に埋設された電線、電話線などの補修や管理のために設けられた地下への出入り口。その道路面に見える鉄蓋、すなわちマンホールの蓋は、通行者にとってはやっかいな存在だ。特に雨天などは滑りやすく、スリップ事故の一因になっている。
市内でマンホールの蓋が特に多く見られる場所といえば仁愛路一段で、大きさも形も異なるさまざまな蓋が71個存在する。また、光復南路266号前の歩道のように、わずか3メートルの範囲に6個と高密度の場所も。
台北市政府工務局新建工程処によると、マンホールの蓋は大きく分類して9種類。管理しているのは計27の組織で、台湾電力と中華電信の設置数が最も多い。ほかには、台北自来水(水道)事業処や台北市政府工務局衛生下水道工程処、同局水利工程処、ガス業者、有線テレビ業者、固定電話業者などのほか、警察や空軍、陸軍も。
台北市内では、ケーブルの地下化が進んだことや、蓋を設置する業者間に協力関係がないことで、蓋の数がこんなに増えてしまったようだ。マンホールの蓋が原因の事故も多発しており、国家賠償請求事件に占める割合は2006年が約19%、07年および08年上半期がともに約16%と、2割近くにも上っている。
そこで台北市は08年から道路の凹凸を減らす「路平専案」を実施し、蓋の数を15%減少させることに成功した。今年09年はさらに30%減らす予定だ。
なお、蓋が多すぎると批判を受けている台湾電力は、「配電技術規則」の規定に基づいて設置していると説明。50メートルごとに1個の蓋は、安定した送電と修理のために欠かせないと強調している。