台湾でも少子化と人口減少による競争力減退への懸念が高まる中、行政院経済建設委員会は100万人の外国人専門人材の定住を段階的に促進する構想を検討している。ターゲットは40歳以下のホワイトカラーで、特に東欧やインドのハイレベルな技術者に白羽の矢を立てている。13日付聯合報が伝えた。
経済建設委によると、同構想は2050年までに段階的に推進する。台湾では2019年から人口が減少に転じると予想され、出生率が極めて低迷する中、外国の優秀な人材をいかに呼び込むかが喫緊の課題となっている。政府は外国人誘致を単なる技術移転だけでなく、出生率の引き上げにもつなげ、経済の活性化を図りたい考えで、移民政策が将来的に重要な政策課題として浮上するのは必至だ。
台北のオフィス街も、将来国際色が豊かになる可能性がある(13日=YSN)
行政院は先ごろ、経済建設委に経済移民、技術移民誘致の実現性について検討を命じ、同委はシンガポール、日本などの先例を参考にして、今回の誘致構想をまとめた。
東欧やインドなど台湾より所得が低い地域をターゲットにしたことについて、関係者は「東欧は競争力で先進国に及ばないが、例えばウクライナは兵器産業に評価が高い。インドのソフトウエア、バイオ技術も高水準だ」と潜在力を指摘した。
移民の受け入れ方法については、シンガポールをモデルにしたい構えで、技術移民の申請対象は、企業の経営者や幹部、経理担当者、科学者、エンジニア、医師などを想定する。投資移民に関しては、台湾に一定額を投資し事業を展開する投資家、個人用不動産を購入したり、台湾の金融機関に高額の預金を行う外国人などが対象になる見通しだ。
所得税引き下げも
税制面では、経済部工業局が「産業創新付加価値条例」で、外国人ホワイトカラーの誘致策として、対象外国人の総合所得税最高税率を現行の40%から20%に引き下げる方向で検討している。諸外国に比べ高い所得税率が外国人誘致の妨げになっているとの指摘に配慮したもので、減税措置の適用期間は3~5年を見込む。