経済部統計処が25日発表した4月の輸出受注額は251億2,800万米ドルで、前月比4.98%増と1月を底に3カ月連続で改善。前年同月比では20.9%減で、減少幅は最近半年で最も小さくなった。中国(香港を含む)向けの輸出受注額が前月比13.62%増の69億8,100万米ドルと、金融危機前の水準近くまで回復したことが全体の改善に貢献したという。26日付工商時報などが報じた。
パネル受注の64%が中国向け
黄吉実統計長によると、中国向けの輸出受注額は前年同月比では依然14.3%の減少だが、減少幅は過去7カ月で最小となった。受注回復は農村への家電普及プロジェクト「家電下郷」などの効果によるもので、台湾パネルメーカーにおける4月の受注の64%、電機製品の受注の51%が中国からとなった。黄統計長は台湾パネル業界について「トンネルの出口まで来た」と指摘した。
4月の国・地域別の輸出受注額全体に占める割合は、中国向けが最大の27.8%で、次いで米国の57億2,500万米ドル(22.8%)、欧州43億7,400万米ドル(17.4%)、日本24億7,900万米ドル(9.9%)、アセアン主要6カ国21億8,300万米ドル(8.7%)となった。中国からの輸出受注額の前年同月比減少幅は、米国(22.3%)、欧州(20.9%)、日本(24.3%)を下回った。
最近の輸出受注の傾向について、陳添枝・行政院経済建設委員会(経建会)主任委員は、「これまでは欧米に集中していて、大陸(中国)に輸出したとしても、多くが再加工のためで最終輸出地は米国だった。しかし今や家電下郷などの政策により、直接大陸の内需市場に輸出されるものが一定程度あり、本来の意味での市場分散になっている」と指摘した。
製品別の受注額は多い順に、▽電子製品、60億9,900万米ドル(前年同月比14.76%減)、▽情報・通信製品、59億4,300万米ドル(同16.26%減)▽精密機器、20億8,300万米ドル(同27.12%減)──で、いずれも前年比減少幅が前月に比べ改善した。特に精密機器の改善幅は10ポイント以上に上った。
受注好転に期待高まる
なお統計処は、受注額を加重平均して計算した「受注動向指数」を初めて発表し、5月の数値は64.02ポイントとなった。黄統計長によると50ポイントで「横ばい」で、輸出企業が今後の受注増についてかなり楽観視していることがうかがえるという。
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