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ECFA、下半期に協議開始へ


ニュース その他分野 作成日:2009年5月27日_記事番号:T00015631

ECFA、下半期に協議開始へ

 
 国民党の呉伯雄主席は26日、中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)と北京で会談し、今年下半期から「両岸経済協力枠組み協議(ECFA)」の協議を開始し、来年の締結を目指すことで合意に達した。台湾はアジア域内の経済連携の枠組みからの孤立を避けるべく、中台公式協議などを通じてECFA締結を強く求めてきたが、希望通り比較的早い時期に実現できる見通しが立った。27日付経済日報などが報じた。
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呉伯雄主席(左)と胡錦濤総書記(右)の1年ぶりの握手は、改めてこの間の中台関係の大幅な改善を印象づけた(26日=中央社)

 胡総書記はECFA以外にも、▽台湾の国際組織の活動への参加▽軍事面での相互信頼メカニズムの構築検討▽国共両党間の交流継続▽中台の文化・教育交流▽双方の敵対状態の終結と平和協議の実現──などを推進していく考えを表明した。

 呉主席は会談後の記者会見で、「両岸(中台)与党のトップが1年に1度会談するのは非常に自然なこと」と強調した。今後、馬英九総統が主席を兼任して胡総書記と会談する可能性も考えられるが、今回の会談が馬総統と胡総書記の会談に向けた準備だとする観測は否定した。
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民進党、住民投票実施を具体化

 経済部は同日、6月末にはECFAの個別項目についての 検討が終わり、早ければ10月には協議に入れるとの見方を示した。

 一方、野党民進党の蔡英文主席は、早急なECFA締結推進に対する懸念を改めて示し、ECFA締結の是非を問う住民投票の実施計画を1週間以内に明らかにすると語った。

「中華台北」、胡総書記が初言及

 今回の中台与党党首会談では胡総書記が、「『中華台北』の衛生署が、世界保健機関(WHO)の年次総会(WHA)にオブザーバーとして人員を派遣した。これは、台湾を国際組織の活動に参加させる能力と智慧を、両岸の中国人が有していることを意味する」と評価し、初めて「中華台北」の言葉を使用した。中国時報はこれについて、台湾の同名称による国際活動に対し理解を明示したものとして大きく報じた。

 先日、陳菊高雄市長が訪中し北京市長と会談した際、「中央政府のわれわれの馬総統」と、台湾が独自の国格を持つというスタンスで発言を行ったため、今回は呉主席が胡主席に対しどのような用語を使うのか、一部で注目されていた。呉主席は孫文について語った際、「アジアで初めて民主共和国を建てた」と「中華民国」の名称を避けたほか、台湾を語った際、中国でよく使われる用語で「島内」と表現。また「馬総統」とは語らなかった。このため、民進党寄りの同日付自由時報が、台湾を矮小(わいしょう)化したと批判した。

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