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作成日:2009年6月1日_記事番号:T00015634
負けは風水のせい、カジノ客がホテルを難詰
台北の不動産投資家、袁さんは米国ラスベガスやマカオのカジノに通う常連客。100万米ドルの賭け金を使うVIPクラスというだけあって、カジノ側のサービスも特別だ。
2008年4月、彼はラスベガスのカジノリゾート、ベネチアンホテルから特別招待を受けた。ホテルが手配したボーイング747専用機で、桃園空港から直接ラスベガスに到着。宿泊ルームは、最高級のプレジデントスイーツ。全行程とも通訳兼ガイドとディーラー付きという至れり尽くせりだった。
到着後、まずバカラに興じた袁さんは、40万米ドル余り勝った後、なぜか負けが続いた。そこでちょっと休憩しようと、ホテルの部屋へ戻ったところ、びっくり。
なんと、部屋の外壁に工事のため1メートル大の穴が開けられ、その穴に黒い布が掛けられていたのだ。さらに部屋の入り口には白いタオルが2本敷かれ、大型扇風機が2台回っていた。
黒と白の組み合わせは、服喪を連想させて縁起が悪い。壁に穴を開けるのは人を陥れるのと同じだ。彼が怒って抗議すると、ホテル側は即座に工事を中止し、タオルと扇風機を取り除いたという。
袁さんはその後カジノへ戻り、引き続きゲームを続けたものの、結局200万ドルも負けてしまった。悔しさが収まらない彼は、負けた200万米ドルをなかったことにして、もう一度賭けさせるようホテルに要求。ホテル側が同意を得ずに行った行為によって、部屋の風水が破壊され、カジノで大負けしたというのが彼の主張で、要求が認められない場合は提訴するとしている。
台湾人にとってカジノで最大のタブーは肩をたたくことで、不運を招くと言われている。他にも、くしを持つと負ける(中国語の「くし」と「負ける」は同音)、鼻毛がはみ出ていると負けやすいなど、さまざまなタブーがある。
しかし、カジノでの負けと、風水が破壊されたことに因果関係を証明するのは困難。裁判になったとしても勝訴できる確率は低いというのが弁護士の見方だ。