ニュース 電子 作成日:2009年6月2日_記事番号:T00015695
台北国際電脳展(台北国際コンピューター見本市、コンピューテックス)開催を機に3日、中台の通信関連業者による「両岸通信産業交流・協力会議」が開かれ、これに伴い計70回の商談会実施が見込まれている。中国国家広播電影電視総局は全国33都市で次世代高速無線技術WiMAXを段階的に導入する計画で、台湾業界では関連の調達商機は少なくとも1,000億人民元(約1兆4,000億円)に上ると期待を寄せている。2日付工商時報などが報じた。
今回の会議には、中国の北京歌華有線電視網絡、杭州華数数字電視、艾維通信、中国安防技術などが参加し、台湾のWiMAX技術・事業の現状を把握するとともに、華為技術、中興通訊(ZTE)、大唐移動通信設備、普天通信とともに台湾メーカーと関連設備の調達交渉を行う。
中国では杭州華数がアモイと杭州でのWiMAXの推進を決定し、既に両都市に実験網を設置した。また、廈門移動通信も南京と広州でWiMAXに着手したほか、中国移動通信(チャイナ・モバイル)との提携で、中国独自の第3世代(3G)携帯電話規格「TD-SCDMA」とWi-Fiを組み合せた無線ブロードバンドをアモイで展開することを決めた。中国広電総局では、今後北京や上海の大都市から中小都市へと、計33都市で4段階でWiMAXを展開していく計画だ。
台湾では既に東訊(テコム)が工業技術研究院(工研院)との提携により、華数から四川・南京でのWiMAX網の関連設備の受注を獲得。中興通訊や中国社会科学院とも関連製品の調達についての協議を行ったという。劉兆凱同社董事長は、「中国はWiMAXの核心部分については華為、中興通訊、大唐、普天など地場大手メーカーを優先するが、末端製品の調達は完全にオープンで、台湾メーカーは相当な量の受注を期待できる」と指摘した。
証券会社では、中国のWiMAX調達商機で恩恵が期待できる台湾メーカーとして、以下の企業の名前を挙げている。▽IC設計、聯発科技(メディアテック)、瑞?半導体(リアルテック・セミコンダクター)、威盛電子(VIAテクノロジーズ)。▽携帯製造、英華達(インベンテック・アプライアンシズ)、華宝通訊(コンパル・コミュニケーションズ)、富士康科技集団▽末端設備、テコム、合勤科技(ザイセル・コミュニケーションズ)、友訊科技(D-リンク)、?程科技(AWB)──。
現段階では不透明?
なお、工商時報は「中国WiMAX商機は1,000億人民元規模」と1面トップで報じつつ、「主管機関の工業信息化部(工信部)がWiMAXに反対しているため、広電総局のみが支持したとしても、商機が今後確実に実るかは観察が必要」という記者の論評も掲載した。
それによると、中国は独自技術のTD-SCDMAを長い時間をかけて開発しており、WiMAXのほうがTD-SCDMAよりコスト的に安く、ブロードバンドの周波数帯域も広いメリットがあるものの、インテルが開発したWiMAXを選んでTD-SCDMAの展開に悪影響を与えることは考えにくいとしている。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722