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狂乱物価、沈静化のめど立たず


ニュース その他分野 作成日:2007年7月19日_記事番号:T00001612

狂乱物価、沈静化のめど立たず


 国際原油価格と原材料価格の上昇を背景に、物価高騰が鮮明となっている。台北市のタクシー業界は、初乗り料金を最低でも90台湾元以上(現行70元)に引き上げることを台北市政府に申請。食品もファストフード店をはじめ値上げが相次いでおり、下半期はさらなる値上げの波が続く見通しだ。所得の上昇が見られない中、市民生活へのしわ寄せが大きくなっている。

 台北市のタクシー業界5団体は18日、市政府に値上げ計画を申請した。申請案は、◆初乗り料金は90元、初乗り区間を現行の1.5キロから1.25キロに短縮し、メーター距離も300メートルから250メートルに短縮する◆初乗り料金を100元とし、初乗り区間もメーター距離も現行のまま──の2種類。
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値上げは必至の情勢だが、客離れがいっそう進むことを懸念する運転手も少なくないようだ (19日=YSN) 

 タクシーの初乗り料金は7年間値上げされておらず、タクシー公会では、「この間、ガソリン価格は1リットル当たり19元から30元に上昇した。コスト高で運転手は生活苦にあえいでいる」と値上げの理由を説明する。台北市交通局では、値上げの審査・承認のプロセスに最低でも3カ月かかるとしており、値上げ実施は早くても10月となりそうだ。なお高雄市では、すでに6月から初乗り料金が85元に引き上げられている。

燃料サーチャージも上昇

 中華航空(CAL)や長栄航空(エバー航空)などの各航空会社は、高騰する原油価格への対応措置として、16日から国際線の燃料サーチャージを引き上げた。引き上げ幅はアジア域内の短距離線が1人当たり82元、豪州・ニュージーランド線を含む長距離線が214元で、これによって燃料サーチャージは、短距離線が17.5米ドル(約577元)、長距離線が45.5米ドル(1,501元)となる。

 トウモロコシ、大豆、生乳などの原料物価上昇を受けて、食品価格も上昇している。モスバーガーはセットメニュー2種類を5元引き上げた。セブン─イレブンも人気商品の「大亨堡麺包」を8元から10元に、統一企業(ユニプレジデント)も「AB優酪乳(ヨーグルト)」を22元から25元に引き上げた。また、豚肉価格も従来の100キロ当たり5,300元から5,800元に上昇している。

400産品が値上がり

 行政院経済建設委員会によると、今年に入って鶏肉や野菜、カップラーメン、飲料、ガス、化粧品など、400項目以上の産品が値上がりした一方、1~4月のビジネスパーソンの給与上昇率はわずか0.51%で、生活の圧迫感が強まっている。一方、上半期の卸売り物価指数の上昇率は7.71%と高く、下半期はこれが消費物価に反映して、乳製品や紙製品、食品などの価格がさらに上昇する可能性が高いという。当面、「狂乱物価」の沈静化は期待薄のようだ。
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