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作成日:2009年6月23日_記事番号:T00016130
当選者ぬか喜び、有名校が賞金10万元を撤回

トニー陳(湯尼陳、本名は陳志鵬)氏(47)といえば、テレビやラジオによく登場する名物英語教師。彼が台中や高雄、台北で展開する語学学校「湯尼英日語補習班」は1万人以上の学生を抱え、教育部からは「優良語学学校」のお墨付きも得ている。
この語学学校が2008年11月台中で行った英語劇の卒業公演では抽選会も行われ、1等賞金はなんと10万台湾元(約29万円)だった。桃園で働く馮さん(女性)は、恋人の楊さんとその母親と一緒にこの公演に参加。もちろん、抽選会の1等賞金が目当てだった。
そして、馮さんはラッキーなことに1等に当せん!その場でトニー氏から現金10万元の札束を受け取り、写真も撮って大喜びだった。
その後、学校側は「15%の税金を差し引く」として、いったん賞金を回収。馮さんは「翌日、身分証を持参して受け取りに来るように」と告げられた。
ところが、馮さんが翌日、賞金を受け取りに行ったところ、学校側は支払いを拒否。何でもこれは学校側が予定していた賞ではなく、周信子・学校顧問が臨時に寄付した特別賞だったという。抽選後、周顧問は気が変わり、民法408条に基づいて贈与を取り消したとのことだった。
馮さんはその後、学校側に何度も掛け合ったがらちが明かず、現在に至るまで半年以上も賞金をもらえていない。トニー氏から4万2,500元で和解しようと示談が持ちかけられたこともあるという。
ぬか喜びさせられた馮さん、とうとう「学校側はもともと賞金を出すつもりはないのに、抽選をうたい文句にして故意にだました」と、財団法人消費者文教基金会(消基会)に訴えた。
トニー氏は「賞金10万元は周顧問が急に思い付いて提供したもので、その後気が変わり撤回したので、学校側にこの賞金はない」と説明。しかし、インターネットのサイトには以前から抽選会のお知らせが掲載されており、急きょ設定した賞という説明はつじつまが合わない。それに、賞金の出所は学校側の問題のはずだ。
消基会によると、学校側が賞金の支払いを拒否することは契約違反となるほか、虚偽広告にも当たるため、公平交易法(公正取引法)により5万~2,500万元の罰金が科せられる。消基会は学校側の宣伝手法は悪質だとして、同校をブラックリストに載せる考えだ。
この事件が名物教師とその語学学校の評判に影響することは間違いない。