ニュース 電子 作成日:2009年6月23日_記事番号:T00016158
世界銀行が今年の世界経済の成長見通しを下方修正したことで先行きへの不安感が再び広がっているが、台湾ハイテク産業では、▽EMS(電子機器受託生産サービス)▽発光ダイオード(LED)▽プリント基板(PCB)──が一歩先んじて回復に向かうという予測が格付け会社の中華信用評等(タイワン・レーティングス)から示された。また、宝華総合経済研究院は今年の経済成長率予測をマイナス4.6%と、台湾のシンクタンクとして初めて上方修正した。台湾では中国需要の恩恵により、下半期から緩やかながら上向くことへの期待が高まっているようだ。23日付蘋果日報が報じた。
不況期に成長力磨く
中華信用評等の許智清資深協理は22日、世界不況の影響で成長に減速が見られるハイテク企業が多い中、EMS・LED・PCBの3業界は不況時に実施した組織改革やコスト改善が功を奏し、下半期以降の伸びが期待できる企業が多いと指摘した。
中でも、郭台銘董事長が第一線に復帰して陣頭指揮を採り、中国事業の調整を行ったEMS世界最大手の鴻海精密工業や、技術向上に注力し、ノートパソコンや照明など応用製品の急成長が期待されるLEDパッケージング大手、億光電子工業(エバーライト・エレクトロニクス)に期待が高い。また、景気が落ち込んだ際に現金を蓄えたIC基板の南亜電路板(NYPCB)なども、今後利益を確保できる力があると有望視している。
下半期から「ゆるやかなV字回復」
宝華総研は、台湾の今年の経済成長率予測を従来のマイナス4.8%から0.2ポイント上方修正し、四半期ごとの予測も▽第2四半期、マイナス8.04%▽第3四半期、マイナス3.58%▽第4四半期、3.87%──に引き上げた。
梁国源・宝華総研院長は、電子産業は最近、川上の半導体業界の設備稼働率が非常に高いと指摘。末端市場の需要が現水準を持続すれば、年初以来の緊急受注は通常の受注にシフトしていくという予測を示した。
その上で、台湾からの調達拡大を進める中国と良好な関係を維持し、秋冬に新型インフルエンザ(H1N1)の大流行が起こらなければ、台湾全体の景気は下半期以降に回復に向かうとの見方を示した。ただ、落ち込み前の水準に戻るのは時間がかかり、ゆるやかなV字回復になるとの見通しだ。
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