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作成日:2009年6月24日_記事番号:T00016160
市販アルコール類、15%が「毒酒」

このほど清華大学(新竹市)が行ったアルコール類に関する調査で、「偽酒」が広く出回っている実態が明らかになった。工業用アルコール(エチルアルコール)や変性アルコールで作られた人体に害のある「毒酒」の比率は15%にも上っている。
いわゆる偽酒とは、▽原料の食用アルコールを希釈したもの▽偽ブランドのもの▽香料を添加したもの▽工業用・変性アルコールを使用したもの──を指す。
凌永健・同大化学系教授は2008年、アルコール類100本(台北、新竹、台中、高雄各県政府提供の59本および市販の41本)を対象に成分を分析。23日に発表された検査結果によると、米酒類では56本のうち成分が不純なものが47本もあることが判明した。
また、コーリャン酒では12本のうち4本が、ウイスキーでは8本のうち2本が、ワインでは9本のうち4本が、芋酒では5本のうち4本が成分に問題がある「不合格」品だった。このうち、工業用あるいは変性アルコールで製造された「毒酒」は15本もあった。
台湾で消費量が多い米酒は、偽酒の比率が特に高かった。米酒の偽造酒は通常、工業用か変性アルコールを蒸留するか、安い食用アルコールに香料を加えて作られており、ヘキサンやアセトンなどが残留していれば毒酒となる。
凌教授は、偽酒が多いのはアルコール類の税率が高いことと関係があると指摘。購入の際には信用のあるブランドものを選び、価格が安すぎるものは避けるよう消費者に注意を呼び掛けている。
ちなみに、財政部によると、08年1~9月に摘発された酒タバコ管理法違反は925件で、このうち偽酒は43万2,000リットル、市価にして4,883万台湾元(約1億4,000万円)にも上っている。偽酒のはんらんを防ぐため、政府は03年から「優良酒類認証制度」を実施し、アルコール類の品質確保を図ると同時に取締りも強化しているというが、効果は出ているのだろうか。