サムスン電子は23日、同社としては台湾初となる発光ダイオード(LED)をバックライトに採用した液晶テレビを発売した。同製品は世界市場で発売後3カ月で既に40万台が販売されており、今年通年では200万台の出荷を目指している。サムスンはLEDテレビ用部品の多くを台湾メーカーからの供給に頼っているが、これに従来型液晶テレビ、パネル、モニター関連を加えると、同社の台湾調達は今年、前年比7~10%増の75億米ドルに達する見通しだ。24日付工商時報などが報じた。
LEDテレビは薄型かつ省電力が長所だが、今回サムスンが発売した製品は厚さ2.99センチと現段階で世界最薄をうたい、同型の従来型液晶テレビに比べ消費電力を40%節減できるという。
サイズは32~55インチのフルラインナップが用意され、価格は6万5,900~19万9,900台湾元(約19万~57万7,000円)と、ソニーが昨年発売した製品(46、55インチ)より3万~8万元安い設定となっている。
液晶TVで台湾シェア10%に
台湾サムスンの金衡睦(キム・ヒョンモク)総経理は、現在世界で90%のシェアを誇るLEDテレビ発売を足掛かりに、台湾市場における同社の液晶テレビの売上高シェアを、今年第1四半期の2%から通年では10%まで拡大したいと抱負を語った。
金総経理によるとサムスンは今年、世界市場におけるテレビの年間出荷台数目標を2,000万台以上としているが、そのうち10%をLEDテレビが占めるとみている。なおアイサプライ(iSuppli)は、世界でのLEDテレビ普及率を今年は3%、2013年には39%まで成長すると予測している。
LED供給が最も逼迫
サムスンはLEDテレビ用部品の大部分を、LEDエピタキシャルウエハーの晶元光電(エピスター)、璨円光電(フォルモサ・エピタキシー)、バックライトモジュールの奇菱科技(チーリン・テクノロジー)などの台湾メーカーから調達している。
最近液晶パネル関連部品の供給不足が問題となっているが金総経理は、「LEDの供給が最も逼迫(ひっぱく)している」と指摘した。これまでLEDは携帯電話への応用が主要な用途となっていたが、よりチップ消費量の多いLEDテレビ市場が、サムスンが普及に注力することで本格的な成長期を迎え、LEDの供給不足が発生しているという。
ディスプレイサーチによると、昨年液晶パネルに使用されたLEDチップは世界で80億個、LED出荷全体(708億個)の11%を占めたが、2012年にはパネル向け出荷が340億個に達し、全体(1,670億個)の34.7%を占めるまでに成長すると予測される。
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