ニュース
社会
作成日:2009年6月25日_記事番号:T00016190
MRT内湖線開通へ、実は不便な松山空港からの乗り換え

MRT(都市交通システム)内湖線の開通が7月4日に迫った。内湖線は木柵線の中山国中駅以北の延伸区間で、全長14.8キロメートル。松山空港駅を含む12駅が設置され、台北駅から松山空港までの所要時間はわずか12分と大変便利になるはずだ。
郝龍斌台北市長は24日、内湖線の開通に先駆け、松山空港からMRT松山空港駅に移動するシミュレーションを行った。郝市長はまずスーツケースを荷物用カートに載せ、空港1階からエレベーターで地下1階へ移動。
その後、38メートルの「動く歩道(ムービングウォーク)」に乗った後、エレベーターで地下2階のMRTチケット売り場へ。さらにエレベーターに乗ってやっと地下4階のプラットホームに到着。この間の移動距離は約200メートルで、到着までになんと20分余りもかかった。
MRT内湖線の車両は4両編成で、1号車と3号車に旅客のための荷物置き場が設置されている。しかし車両が小さく車内が狭いことから、スーツケース20個が限度だ。
MRT松山空港駅には旅客の利便性を考慮し、台北MRTで唯一の動く歩道を設置し、改札の幅も20センチ広く設計。一度に5台のカートを乗せることができる積載量2,800キロのエレベーター(一般は1,000キロ)を採用しているという。
しかし、大勢の旅客で込み合う時間帯は、当然ながらエレベーターの待ち時間も長くなる。3回もエレベーターを乗り降りしなければならない複雑さはまるで悪夢だ。その上、大きな荷物を抱えた旅客が荷物置き場設置車両に殺到、乗下車の混雑も予測される。
とはいえ、シミュレーション後の郝市長は満足げに「距離的にはやや遠いが、実際に移動してみれば大変便利だ」と手前みそ。松山空港は今後、上海虹橋、東京羽田、ソウル金浦との直航も視野に入れているというが、MRT内湖線の輸送量や車両問題の改善が迫られることは間違いない。