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Q3PC市場、エイサー董事長が悲観


ニュース 電子 作成日:2009年6月25日_記事番号:T00016221

Q3PC市場、エイサー董事長が悲観

 
 王振堂宏碁(エイサー)董事長は24日、パソコン業界の例年のハイシーズンである第3四半期の見通しについて「月並みなものになる」と語り、景気低迷が続く欧米市場で需要の緩みが出ていることを理由として挙げた。不景気からの脱却に期待がかかる下半期を目の前にしての悲観発言で、ハイテク業界の関心を集めている。25日付経済日報などが報じた。
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エイサーは今年第1四半期、世界PC市場でシェア3位だった。王董事長は、来年ノートPCで世界一になるという見通しを示した(24日=中央社)

 王董事長は「7、8月は夏休みの影響で需要は横ばい、9月は新学期開始の需要があるが強くはない」と指摘した。PC業界は8月に好転し、新学期、クリスマスシーズンと需要がつながっていくのが例年のパターンだが、今年は需要の盛り上がりが先送りされるという見方だ。  

 第3四半期の需要が盛り上がらないことで、同社が注力している省電力CULVプラットフォームのノートPCにも出荷に遅れが出るという。しかし、マイクロソフトの新OS(基本ソフト)、ウインドウズセブン(Windows7)が発売される第4四半期には出荷増が見込め、下半期の出荷目標については従来からの「上半期比3~4割増」を維持するとした。年末の段階でCULV機が同社のノートPC全体に占める割合は50%に達するという見通しも示した。

 自社ブランドPCでエイサーと並ぶ台湾2強の華碩電脳(ASUS)の幹部も、「ノートPCの受注見通しはわずか1カ月」と語る。同社は第3四半期の市場環境の変化に備えて、強気と弱気の2種類の出荷目標を用意している。ノートPC市場では、ウインドウズ7がもたらす買い換え需要に慎重な見方が出始めていること、および部品不足が懸念材料としているが、この6月の出荷は好調なため、現段階では第3四半期の動向について楽観に傾いている。
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不況時は川下が指標

 ハイテク業界の景気見通しは現在、台湾積体電路製造(TSMC)や友達光電(AUO)など川上・川中メーカーが楽観的な一方、エイサー、緯創資通(ウィストロン)など川下業者が悲観的になっており、投資家の混乱を招いている。

 経済日報はこれについて、好況で見通しの良い時期はリードタイムの比較的長い半導体メーカーなど川上業者の業績と見通しが先行指標になるが、景気変動が激しく見通しの悪い時期は末端市場に近い川下メーカーの情報がより正確だとして、王董事長の判断により信頼性があると論評した。ただ、「下半期は上半期より好調となるという点ではハイテク業界全体が一致しており、問題は成長率がどの程度になるかだ」とし、上半期比で落ち込むことはないという見方を示した。

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