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中台の大手通信キャリア、携帯を共同調達へ


ニュース 電子 作成日:2009年6月26日_記事番号:T00016250

中台の大手通信キャリア、携帯を共同調達へ

 
 中台の大手通信キャリアが携帯電話の共同調達に向け動き出した。遠伝電信(ファーイーストーン・テレコム)は、戦略提携を結んだ中国移動(チャイナ・モバイル)と各種通信製品を共同で仕入れる方針だ。亜太電信(アジア・パシフィック・ブロードバンド・テレコム)も25日、中国電信(チャイナ・テレコム)とCDMA2000対応端末の共同購入を協議中で、早ければ年内に開始すると明らかにした。中国携帯キャリアは膨大なユーザー数を擁しており、共同調達が実現すれば、チャイナ・モバイル1社だけでも台湾の携帯関連メーカーに年間1,000億台湾元(約2,900億円)を超える商機をもたらすことが期待できるという。26日付工商時報が報じた。
 

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 遠伝は、4億7,000万件と世界最多のユーザー数を誇るチャイナ・モバイルと、今後双方のサービスエリアで携帯電話を使用できるローミングサービスやチャージサービスなどでの提携に加え、携帯電話、データ通信カード、低価格ノートパソコン(ネットブック)など各種製品の共同調達を行う考えだ。

 証券会社は、チャイナ・モバイルに既に端末を供給している携帯メーカーの宏達国際電子(HTC)、英華達(インベンテック・アプライアンシズ)や、EMS(電子機器受託生産サービス)の鴻海精密工業、IC設計の聯発科技(メディアテック)が恩恵を受けるとみている。

 なお遠伝は、チャイナ・モバイルからの出資受け入れ準備を進めているが、現時点では中国資本による遠伝電信など第一類電信業者への投資は認められていない。

調達規模3千万台も
 
 亜太の遅煥国董事長特別助理は、同社とチャイナ・テレコムがCDMA通信キャリアなどから構成される国際組織、CDG(CDMA Development Group)に加盟していることなどから両社の共同調達計画が浮上したと語った。両社は香港通信最大手のPCCW(電訊盈科)、日本のKDDI、韓国SKテレコム、およびタイ、ベトナム、インドネシアのCDMA事業者ともCDMA携帯の共同調達の協議に入っており、このうち亜太とチャイナ・テレコム、PCCWの中華圏3社の提携が先に実現する見通しだという。3社の調達規模は年間3,000万台に上り、今後第3.5世代(3.5G)のCDMA-EVDO機にも共同調達の範囲を広げていく方針だ。

 今年の調達計画は亜太が70万台、チャイナ・テレコムが2,500万~3,000万台となっている。ユーザー数は亜太が205万件(昨年末時点)、チャイナ・テレコムは3,691万件(今年5月末時点)だ。なお、世界のCDMAユーザーは4億7,500万件(昨年末時点)。

 亜太は、交通部傘下の台湾鉄路管理局(台鉄)が筆頭株主で、経営危機に陥ったため交通部が接収し、東元集団が暫定管理している。このため、亜太とチャイナ・テレコムはともに政府系企業で、共同調達が合意に達すれば、中台通信業界の提携深化において指標的な意味があると工商時報は指摘している。
 
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