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作成日:2009年7月1日_記事番号:T00016311
危ない病院のレストラン、発がん性物質も
財団法人中華民国消費者文教基金会(消基会)は5月、大台北地区にある11の大型病院を対象に、細菌数や浮遊粒子状物質、二酸化炭素、ホルムアルデヒド濃度などについて、付属するレストランやフードコートの空気汚染調査を実施した。その結果、発がん性物質濃度が基準値を超えるなど、7カ所の病院で空気汚染が確認された。
国立台湾大学医学院付設医院(台大医院)西址旧ビル(B1フードコート)、市立万芳医院(B1フードコート)、三軍総医院(三総)内湖院区(B1フードコート)、和信医院(B2レストラン)、台北医学大学付設医院(北医)(B1レストラン)の5カ所では、ホルムアルデヒド濃度が基準値(1時間当たり0.1ppm)を超えていた。
ホルムアルデヒドは発がん性物質で、ぜんそくやアレルギー、肝機能や肺機能の低下、慢性中毒を引き起こす危険性もある。接着剤や塗料、防腐剤として建材に用いられ、シックハウス症候群の原因でもある。
国泰医院(8Fレストラン)、三総、北医の3カ所では、空気中の浮遊粒子状物質が、基準値(1立方メートル当たり150ミリグラム)を超えていた。浮遊粒子状物質が多いと、アレルギー性鼻炎、せき、ぜんそく、アレルギーといった症状が起こりやすくなる。
さらに、行政院衛生署双和医院(B1フードコート)で細菌数が基準値(1立方メートル当たり1,000CFU)を超えていたほか、台大医院では二酸化炭素が基準値(8時間当たり1,000ppm)以上だった。
消基会の指摘を受け、台大医院や国泰医院など各病院は換気システムを強化。署立双和医院も全面消毒を実施し、換気設備を追加したという。万芳医院は「5月に消基会が検査した時は、ちょうど改装工事中で、塗料などを大量に使用していた」と釈明している。
病院は診察に訪れる人だけでなく、付き添いや見舞客も多く、細菌やウイルスの温床だ。思わぬ感染を避けるためにも、病院のレストランは極力利用しないほうが良さそうだ。
なお、立法院で審議中の「室内空気品質管理法」草案は、3年以内に可決される見通し。違反した場合は5万~25万台湾元(約14万7,000~73万3,000円)の罰金が科されることになる。