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エルピーダに200億円、TMCの出資に反発の声【表】


ニュース 電子 作成日:2009年7月1日_記事番号:T00016335

エルピーダに200億円、TMCの出資に反発の声【表】

 
 政府がDRAM業界再生に向け設立する台湾記憶体(TMC)が、日本政府が公的支援を決定したエルピーダメモリに200億円を出資することが30日、決まった。しかし、業界では資金を経営難にあえぐ台湾DRAM業界の救済に優先的に充てるべきとの意見も根強く、曲折も予想される。1日付工商時報などが伝えた。
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 日本の経済産業省は同日、エルピーダメモリに対し、改正産業活力再生法に基づく公的支援を行うと発表した。同社が公的支援を受けるに当たり提出した計画書によると、総額1,600億円の資金が再建に必要となるが、TMCはその一部の出資に応じる。

 公的支援部分は、日本政策投資銀行がエルピーダの優先株を300億円で引き受けるほか、100億円の融資を行う内容。このほか、民間金融機関が協調融資で1,000億円を支援する。

 エルピーダの坂本幸雄社長は、TMCに発行する株式が普通株になるか、優先株になるかは決まっていないと説明した。ただ、TMCが取得するのは議決権がない優先株となる可能性が高い。

エルピーダへの出資、20%最終目標

 TMCのエルピーダの出資計画については、行政院がこのほど開いた秘密会議で、行政院国家発展基金からの資金注入なども併せて方向性が決定されたもようだ。行政院はTMCを設立後、直ちにエルピーダの株式10%を取得し、最終的に出資比率を20%まで引き上げることが目標とされる。

 台湾半導体業界には、「TMCがエルピーダにとって単純な投資パートナーにすぎないのなら、資金は台湾DRAM業界に回すべきだ」との批判の声が早くも上がっている。このため行政院高官は、「日本との協力は、技術導入が前提となっており、日本側はエルピーダの技術を無償で使用できるようになる」と述べ、各方面の理解を求めた。

 行政院は逆風を考慮し、水面下で慎重な検討を進めており、1カ月後にTMCが正式に設立されるのを待って、具体的な政策説明を行う構えだ。TMCは来年、台湾のDRAMメーカーの買収も進めるもようだ。