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作成日:2009年7月2日_記事番号:T00016339
ぜいたくな海巡署馬祖大隊、ミネラルウォーターで洗車

水不足で給水制限が実施されている馬祖地区で、行政院海岸巡防署(海巡署)馬祖大隊が、洗車や床掃除にミネラルウォーターを使用したことが暴露され、公費と水資源の無駄遣いとの批判が高まっている。
馬祖大隊の内部告発によると、兵士たちは6月25日、副大隊長と参謀主任から、ミネラルウォーター約1,000本の中身を大きなバケツに移し、それを使って洗車や床掃除を行うよう命じられたという。これらのミネラルウォーターは消費期限を過ぎておらず未開封。兵士たちは誰もがこの命令に耳を疑ったが、「上官の命令には背けなかった」とか。
台湾の離島では、兵士たちが島の水が合わず病気になることが多いことから、ミネラルウォーターが支給される。馬祖大隊では3カ月ごとに2,500ケース(1ケース12本入り、1本1,500cc)のミネラルウォーターが台湾本土から運ばれ、兵士1人に1日2リットルが配給されている。
海巡署北部地区巡防局の張本源副局長によると、馬祖大隊が25日に倉庫を清掃したところ、310ケースのうち60ケース(720本)がネズミの被害を受けていることが分かった。段ボール箱がネズミに食い破られ、ペットボトルにはネズミの糞(ふん)が付き、かまれた跡もあったという。
このため、これらのミネラルウォーターは汚染されていると判断し、廃棄処分を決定。しかし貴重な水資源を無駄にしないよう、1日目は倉庫の床を、2日目は公用車を洗ったという。
「水資源の浪費ではなく、逆に水資源を大切にするための行為だった」と釈明するが、貴重なミネラルウォーターをネズミの被害に遭わせたことは管理ミスといえる。海巡署北部地区巡防局は今後、馬祖大隊の大隊長、副大隊長、参謀主任らの責任を追及し、倉庫管理を徹底する方針だとか。
今回、浪費された約1,000リットルのミネラルウォーターは、馬祖大隊241人の3日分の配給量に相当する。ネズミの糞が付着していても、未開封なら中身は汚染されていないはず。慢性的な水不足に悩む馬祖でミネラルウォーターを洗車に使うなど、「もってのほか」と憤りたくなるのは住民だけではないだろう。