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経営の神様・王永慶氏、林口に埋葬


ニュース 社会 作成日:2009年7月3日_記事番号:T00016367

経営の神様・王永慶氏、林口に埋葬

 
 「台湾の松下幸之助」「経営の神様」などの異名を持つ台塑集団(台湾プラスチックグループ)の創業者、王永慶氏が、出張先の米ニュージャージー州で心肺不全により死去したのは、昨年10月15日のこと。

 8カ月余りたった7月2日、王永慶氏の遺体は一族が見守る中、台北盆地を一望できる台北県林口の霊園「長永紀念福園」に埋葬された。台プラグループ傘下の南亜塑膠工業(南亜プラスチック)林口工場に隣接するこの霊園は、総面積5.2ヘクタール。そのうち8,000万台湾元(約2億3,000万円)をかけて作られた王家の個人墓地が約2ヘクタールを占めている。

 この日、埋葬地付近は午前9時前から、メディアなどの取材を避けるため厳しい通行規制が敷かれた。埋葬には、王永慶氏の第一、第二、第三夫人と子女全員が参加。ただ王永慶氏と一心同体となって台プラを支えてきた弟・王永在氏は、前日から尿道閉塞のため入院しており、出席できなかった。

 王永慶氏の長男・王文洋氏(宏仁集団総裁)が親族を代表して弔辞を述べた後、遺体は午後3時15分ちょうどに埋葬された。風水師によると、これは台プラの発展と子孫繁栄に良いとされる時刻らしい。

 王永慶氏の墓碑は縁起が良いとされる白いトルコ石で、氏の経営理念だった「勤労樸実」の4文字が刻まれ、墓のそばには王文洋氏が選んだという樹齢300年のアカギの大木が植えられているそうだ。アカギの中国語は「茄苳」で、「茄」は台湾語の「切る」と発音が似ていることから、墓前に植えることで家族間の争いを減らす意味が込められているともいわれる。

 しかし、2,468億元とされる王永慶氏の遺産をめぐる一族の争いは始まったばかり。王永慶氏はまだまだ安らかに永眠できそうにない。